メンバーインタビュー

300名を動かす事業責任者 櫻田が語る"営業代行の職務"

セールスアウトソーシング事業責任者として300名規模の組織をマネジメントする櫻田が、ここに至るまでのキャリアや、事業責任者として考えている営業代行事業のイマと未来について語ります。

起業を一度やめて選んだのは、営業を体系立てて学ぶこと

―これまでのキャリアについて教えてください。
僕は北海道札幌市出身で、高校では硬式野球に没頭する野球少年でした。テレビで観た横浜・みなとみらいの夜景に憧れ、早く北海道を出たい!という思いが強かったため、上京して横浜の大学に進学し、経営学を学んでいました。あまり勉強しなかったので、一浪してしまい、しかも大学はみなとみらいとはかけ離れた山の上でしたが(笑)

そんな大学時代は、勉学に励みながらアルバイトでお金を貯め、旅行三昧の日々でした。旅行に行くのも、自分の中にある「冒険したい想い」があって。自分が行ったことのない新しい場所に訪れることで、非常に多くの刺激を受けるんですよ。「刺激を受けたらその分成長できる」と思っていたので、それが影響して国内国外問わず飛び回っていました。

自転車で日本一周をしたり、世界一周の船旅をしたり、オーストラリアに4ヶ月語学留学に行ったり。アフリカにバックパックで1ヶ月間行って、現地で30時間バスに乗って移動したこともありました。意識的に知らない場所に行くことをする学生生活でしたね。新卒での一社目は、もともと海外志向があったこともあり、大手商社に入社しました。


入社後は名古屋に赴任し、自動車で使われる金属製品の営業を3年ほど経験しました。その後、上海駐在が決まり、日本を出ました。現地では、中国の国有企業と民営企業、所属した商社の3社で合弁会社をつくることになり、事業計画を立てるところから、合弁契約書の作成、他2社との交渉などを行っていました。

言葉も考え方も全く異なる中国人との交渉は、非常にチャレンジングでしたが、ロジカルな考え方と、バランス感覚は養われた気がします。その後、工場の建設進捗の管理、施工後の工場で作られる金属製品の営業を、3年間中国全土を飛び回って行っていました。


その頃から、「地元の北海道を海外に広める、海外と繋げられるような事業を立ち上げたい」と考えていたので、帰国したタイミングで商社の退職を考えていました。ただお恥ずかしい話で、漠然と「事業がしたい」と考えていましたね。

帰国から退職までの間、いろいろ模索していましたが、プライベートなことでいろいろあり、起業するのを一旦中止して、どこかの会社でもう一度修行し直すことにしました。

修行し直すなら、営業をもっと勉強したいという思いがあったので、高い営業スキルを身に付けられそうな会社を探す中で見つけたのがインプレックスアンドカンパニーだったんです。

―起業準備から一転、インプレックスアンドカンパニーに入社を決めたんですね。どういった背景があったんでしょうか。
有給消化中に、知り合いに会ったり、北海道や中国に行ったり、ビジネスのネタを探したりしてました。

その中で、北海道の介護施設を運営している経営者と知り合うことが出来ました。「ちょうど中国に介護施設を作る予定があるので、入社して一緒に手伝って欲しい」というお話を頂いたのですが、僕は自分の会社を作ること前提で活動していたので、転職ではなく業務委託としてお手伝いする形を考えていました。

合わせて、会社設立の準備もしていましたが、プライベート面で困ったことが発生してしまいまして…。そういう状況で会社を作る場合ではなくなって、起業自体を考え直すようになったんです。自分の足元すら固まってないのに、起業して人様を雇ったりするのは、今の自分では難しいなと。

介護ビジネスのお話は丁重にお詫びをした上で、ご協力出来ない旨をお伝えしました。そしてもう一度どこかの会社に所属して、ゼロからやり直そうという思い、転職活動を始めた次第です。ただどこでもいいから転職をしたいのではなく、自分がやりたいことを先に考えた上で、それを満たしてくれる会社を探そうと考えました。最終的に自分がやりたいことは「営業についてもっと学びたい」でしたね。


高いレベルの営業を学べる会社はどこか調べてみると、営業代行という業界があることを知りました。10社ぐらいリストアップし、片っ端から電話でアプローチし、応募した中の1社がインプレックスアンドカンパニーだったんです。

前職の経験で、属人的な営業手法には自信はありましたが、その対極にある科学的な営業手法、体系立てて行う営業を学んでみたい!という思いが強かったと記憶しています。

―応募して、最終的に入社に至った理由はどういった点でしたか。
そうですね、3つ理由があります。

1つ目は、一次面接から取締役の矢野が出てきてくださったことです。
初回から経営者が面接してくれるスピード感に対して、すごく良い印象を感じました。

2つ目は、当時からホームページで伝えたいことがしっかりしていると感じました。
並行して他の営業代行会社のお話も伺っていたのですが、そこではホームページに書かれていることを把握していなかったり、ホームページと直接聞いた話に乖離があるところが多かったんです。しかしインプレックスアンドカンパニーは、ホームページに書かれていること、経営者の話、両方に整合性があり、ちゃんとしているなと感じました。


3つ目は、矢野との会話の中で、僕が期待する営業を体系立てて学べる環境だと感じたことです。
正直「営業を科学する」ということを、その時点で外側から見ているだけではよくわからなかったんですけどね。

当時の会話で一番記憶に残っている「営業は料理と一緒」という言葉に惹きつけられましたね。素材の仕込みから調理する順番、味付けなど、料理を作る手順と、営業活動は同じだと。選考時間いっぱい、色んなお話を伺って決めました。

多種多様の業界、カスタマーサクセス領域まで広がる支援の幅

―営業からはじまり現場で実績を残された後、現在ではセールスアウトソーシング事業部の責任者として活躍されています。どういった意識で取り組んでいますか。
セールスアウトソーシング事業が、会社そのものだと本気で思って取り組んでいます。会社の成長を担う中核の事業としての役目と、新規事業に投資するための原資を生み出す役目として、重要な役割を持つ事業部だと思っています。


事業責任者として、200~300人をマネジメントする上で意識していることはいくつかあります。まずは、自分含め「みんなに成長して欲しい」「ワクワクしながら仕事をして欲しい」と思ってます。その中で僕の役割は、「自分についてこい!」というよりも、それぞれ自分が思うように試行錯誤しながら仕事に取り組んだらいいと思っています。そこで何かあったとしても、「そのときには自分が責任を取るから!」という気持ちでいます。

そういう中で、事業部メンバーがそれぞれで成長することができ、それぞれが活躍していける土台を僕が作る。それが事業責任者とし大事な役割の一つだと考えています。

あと僕自身、「営業のプロになりたい!」「営業を学び続けたい!」と思って入社しているので、そこはブレていません。その先には、世界を相手に活躍できる人になりたいですし、メンバーにもそうなってほしいと思っております。

―300名の組織とのことですが、規模が大きいと共通認識を持つことに苦戦することもあるかと思います。メンバーと共通認識を持つために気をつけていることはありますか。

はい。2つあります。

1つ目は、ケーススタディですね。週に1回、マネージャーミーティングで行っています。

たとえば、企業としての価値観が問われるような問題が起きてしまった際に、それぞれのマネージャーに向けて、「あなただったらどのように行動するのか?」問いかけて意見を出してもらう取り組みです。

個々人が成長するために頑張るだけではなく、「なにか起こった際に事業部として、どのように問題解決するために行動するのか」をすり合わせて共通意識にすることが大事と思ってます。

そこで僕の考える解決策と違う回答が出てきた場合には、会話をしたうえで一つひとつ議論したり、フィードバックしたりするようにしています。起こりうるケース一つ一つに対し、自分を含めたマネージャー陣でどういう行動を取るべきかを、丁寧にすり合わせをすることで、メンバー間での共通認識のピントが少しずつ合うようになると思っています。


2つ目は、事業部として持つべき価値観やミッション、ビジョンについて、マネージャーと僕で話し合いながら共有認識を深めて行くようにしています。

世の中を変えていく方法はたくさんあると思っています。ユニクロなら「服」、グーグルは「情報」から世界を豊かにし続けています。

僕らの場合、僕らの最大の武器である「営業」という手段を使って、日本を、そして、世界を変えていくことができると信じています。その為のミッションとして、まずは目の前のお客様ととにかく向き合い続けること、それも他人としてではなく、当事者としてこだわり続けること。これがクライアントの未来を、僕らの未来を創っていく原動力になるのだと信じています。

―セールスアウトソーシング事業部の未来について、どうお考えでしょうか。
事業部として目指すべきところは、日本一だと思ってます。何に対しての日本一なのかというと、シンプルに営業組織としての人数規模や、売り上げ規模で日本一を実現したいです。

弊社のセールスアウトソーシング事業は、10年近くさまざまな企業のご支援をしている事業です。これも、営業の原理原則という共通言語をベースに、先人たちが作り、育て、脈々と受け継がれて、今があります。ただ日本でナンバーワンの営業会社からさらに「営業代行」で切り取れば、現時点で実現が見えてきている立ち位置にいると思っています。ですので、僕は日本一を達成したその先には世界に向けて戦うエリアを広げて行きたいとも考えています。

そのためにも、お客様のご紹介や追加のご発注をいただきながら、毎年130%近くの成長をくりかえして拡大し続けるこの事業を、さらに拡大させていきます。

ただ、伸び率が相当大きかった前期に対してさらに130%成長というのは非常にチャレンジな目標で、正念場だなと思ってます。逆にいうと、それが実現できれば、その経験値で未来の活動も大きく踏み出せるはずです。そういう意味で、今、正念場だと思ってます。


ポイントは2つ、業界軸と領域軸と考えています。

業界軸でいえば、特に得意な領域である飲食業界のほかに、IT・人材・美容・通信・不動産・医療・福祉・士業…と幅広い領域でご支援しているため、こういった業界や、それ以外の業界にも広げていきたいです。営業アウトソーシングは、これからさらに需要が高まると感じているので、どういった企業でもご支援していきたいですね。

領域軸というのは、我々が得意としている新規開拓営業のほかに、その前後のプロセスにも多く貢献していきたいということです。前でいえばマーケティングに関わる部分ですし、後ろでいえばオンボードやカスタマーサクセスの領域ですね。サービス特性がSaaSやサブスク型に変わってきたことで、オンボードやカスタマーサクセス領域でのご支援も増えてきているので、そこをさらに拡げられる取り組みをしていきたいと考えています。

「営業の原理原則」がクオリティコントロールのベースにある

―インプレックスアンドカンパニーの営業の原理原則について教えてもらえますか?
営業の原理原則ですね。突然テストみたいですね(笑)

「営業というのは複数のプロセスに分かれます。そのプロセスがゴールしないと次のプロセスには行けません。プロセス単位で決めた、スタートからゴールまでの行動を繰り返した先に、最終的なお客様の合意、受注に繋がる。」と理解しています。

よく矢野が料理に例えられるんですけど、料理も誰が作るかによって味が違ったりしますよね。しかし料理にはレシピがあって、それに基づいて料理することで、誰でも同じような味の料理を作ることが可能となります。


いきなり「ビーフストロガノフを作ってください」って言われると、ものすごく難しそうだなって思いますよね。僕は思います(笑)ただ、それをレシピ(営業の原理原則)通りに作る手順を分解し、具材の下ごしらえ、味付け、調理の仕方を分解して実行することで、一見難しそうなビーフストロガノフも、実はプロセス毎に作業を分けていけば最終的に作ることができますよね。

営業は、まさにそれと一緒であるべきなのかなと思ってます。それを実現するためには営業の原理原則を理解することが必要だと。

―いきなりテストのようなことをしてしまってすみません。営業の原理原則を理解している=強い営業組織ということになるんでしょうか。
実は、「プロセスを分解する」っていうところが一番難しいんですよね。ですが、それを営業に関わる社員全員がきちんとやれているのがインプレックスアンドカンパニーの一番の強みなんだと思っています。この考え方が社員に浸透できていること強い組織の理由なんだと。


とあるお客様から弊社の良さを教えていただいたのですが、「競合他社と比べ、現場の営業メンバーに対するマネジメントが違う」と。

トップセールスが100人いればそれは強いですけど、そういうところはなかなかありませんよね。インプレックスアンドカンパニーの場合は、トップセールスが100人いなくても、営業の原理原則を理解した優秀なマネージャーがいることで、再現性もって他の営業メンバーの成果を上げられるようになっています。

もちろん営業メンバーも営業の原理原則を理解しているので、マネージャーと共通言語で会話ができ、営業業務に関係する改善が早い。これらを実現出来ていることがすごいと仰っていただきました。

営業メンバーをマネジメントする上での、営業プロセスを分解して考えることは必須です。この営業の原理原則が、マネジメント力の質の担保に繋がっていると思ってます。結果として、お客様への成果に繋がっていると理解しています。

―ほかにお客様との会話で印象に残っていることはありますか。
お客様に言われて気づいたんですが、「できないことを『できない』と言ってくれることは、すごくありがたいです」と感謝されたことがありました。

僕らは営業で結果を出し続けていくほど、お客様からのご要望のハードルは上がっていきます。良いことではあるんですが、そのご要望に対して我々から、「そのご要望を実行することは可能ですが、こういう理由で上手くいかないと思うのでやめたほうが良いですよ」とか、「実行するとこういう悪い結果になると思いますがそれでも良いですか?」とか、「そもそもこの事業計画は、実現するのが厳しいんじゃないですか?」といったことを率直に言ってくれることがありがたいと、感謝されました。

他社さんの場合は、言われたことに対して実行するだけなんだそうです。手を動かすところは代行するが、その目的や目標の実現が難しい場合でもその責任は発注側にあるので、そこに対して意見して来ないと。

しかし我々の場合は、実現が厳しい依頼についてはきちんと「その要望は非常に難易度が高くできない」もしくは「こうしたら実現可能性が出てくると思います」「このマーケットに変えませんか」と提案してくれるので、こちらも意見をもらうために相談しやすい、と。


僕らが作ってるのはお客様の事業そのものであって、「お客様の未来を一緒に作っている」と思っています。

その未来が悪くなることが想像できるのであれば、そのことを隠さずにお伝えします。お客様が向かおうとする方向がお客様の不利益になるのがわかっているのであれば、そのことをきちんと伝えることが大切だと思っていますし、そういう関係性をお客様と持ちパートナーとして存在することが、営業のプロフェッショナルとしての責任だと思っています。

櫻田 遼太

インプレックスアンドカンパニー株式会社
BPM事業部責任者


豊田通商株式会社にて自動車関連の部署を担当。上海駐在を3年経験した後、2018年同社入社。
1プレイヤーとして、複数プロジェクトで安定した成果を創出し2019年からはセールスアウトソーシング事業責任者として、これまで60を超えるクライアント企業をプロジェクト単位で支援している。
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