営業のスキルマップに入れるべき項目は6つ!導入メリットも紹介
「スキルマップ」とは、営業に欠かせない能力を可視化したものです。
本記事ではスキルマップの概要や作成目的、メリットと営業のスキルマップに盛り込むべき評価項目6つを紹介します。
自分自身の能力向上や部下への公正な評価につながるスキルマップについて理解を深めていきましょう。
目次[非表示]
- 1.スキルマップの概要
- 1.1.スキルマップとは何?
- 1.2.スキルマップの作成目的
- 2.営業がスキルマップを導入するメリット
- 2.1.実力を客観的に把握できる
- 2.2.評価基準が明確化される
- 3.営業のスキルマップに入れるべき6つの評価項目
- 3.1.営業計画を立てるための「概念形成力」
- 3.2.顧客からの信頼を掴むための「関係構築力」
- 3.3.顧客情報を理解するための「顧客把握力」
- 3.4.合意を得るための「交渉力」
- 3.5.責任を負うための「自律性」
- 3.6.商品を理解するための「知識要件」
- 4.スキルマップで強みと弱みを理解しよう
スキルマップの概要
スキルマップの作成はエンジニアや営業の能力を把握し、適切に運用できる施策です。
まずはスキルマップがどんなものなのかという点から、スキルマップを作成する目的までを解説します。
スキルマップとは何?
スキルマップとは、企業に在籍している全従業員のスキルを「見える化」したものです。
個別にリスト化した業務に対し、数値基準を作ります。
例えば「作業補助できる」「補助を受ければできる」「単独で作業できる」「作業を指導できる」などの順に習熟度とスキルスコアを連動させることで、誰が見ても業務スキルが一目瞭然にできる施策です。
企業によっては「力量管理表」や「技能マップ」と呼ばれる場合もあるでしょう。
スキルマップの作成目的
スキルマップの作成目的は、個人レベルで考えると「誰が何をできるのか?」が明確になることと、人事評価を連動させることで、モチベーションにつながることが挙げられます。
評価する立場から見てもスキルマップを使用することで客観性の高い評価をしやすくなり、どんな研修や指導をすればいいのかがわかりやすくなります。
「どの業務をどれだけの人員が精通しているのか」「困難になっている業務や属人的になっていることはないか」といったように、会社組織を運営する上でのリスクを可視化し、適切な対策を検討する材料として利用可能です。
つまり、スキルマップの導入は会社にとっても、従業員にとっても高い効果を見込める施策といえます。
営業がスキルマップを導入するメリット
営業がスキルマップを導入するメリットは、「実力を客観的に把握できる」や「評価基準が明確化される」などが挙げられます。
従業員が実力を客観的な物差しで把握したり、評価基準が明確にされたりすることで、健全な企業風土の醸成にもつながるでしょう。
ここでは2つのメリットについて詳しくみていきましょう。
実力を客観的に把握できる
スキルマップを導入するメリットには、「実力を客観的に把握できる」点があります。
従業員一人ひとりの得手・不得手を明確になります。
この点が明確になれば苦手とする業務を重点的に教育する研修をしたり、逆に得意な業務を部署の垣根を越えて共有したりするなど、全体の業務能力向上にも効果を見込むことが可能です。
また、業務自体が属人的になることを防ぎ、1つの業務を複数の従業員が担当できる体制の構築にもつながるでしょう。
営業がスキルマップを導入して自分の能力を把握できれば、効率的な営業活動や業績向上のために取るべき行動や必要なスキルが何かわかります。
自己研鑽のためにもスキルマップは効果的に活用できるのです。
評価基準が明確化される
スキルマップと人事評価の基準を連動させることで、昇給や昇格の基準としても活用できます。
業務の習熟度をスコア化できるため、客観的な基準をとして利用可能です。
しかし、スキルマップを意味のあるものにするためには、実態に即した項目内容でなければならず、業務内容や具体的な行動をまずは洗い出す必要があります。
理想的には、トップセールスの行動を細分化し、順序立てて習得できるようにスキルマップの項目として並べられるとよいでしょう。
営業のスキルマップに入れるべき6つの評価項目
営業のスキルマップに入れるべき評価項目は「概念形成力」「関係構築力」「顧客把握力」
「交渉力」「自律性」「知識要件」の6つ。
いずれも営業活動を行ううえで欠かせない項目ばかりです。
ここではそれぞれの評価項目に関する特徴について解説していきます。
営業計画を立てるための「概念形成力」
「概念形成力」とは、問題解決までの計画を立てる力のことです。
営業には自社だけに留まらず、顧客や取り巻く環境を含めた市場動向を正しくリサーチ・把握し、将来的な売上予測や対策を適宜、立案する能力が求められます。
さらに、収集した情報を分析し、顧客へのアプローチの方法や、商談の進め方を考えられる論理力や既成概念にとらわれない自由な発想力や探究心、チャレンジ精神も「概念形成力」に含まれます。
顧客からの信頼を掴むための「関係構築力」
「関係構築力」とは、コミュニケーションを図るとともに、顧客と良好な信頼関係を維持する力です。
顧客にとって信頼感のある振る舞いができ、営業として自覚のある態度のことを指します。
また単に「会話が上手」と言うものではなく、顧客の立場から相手にとって必要な情報を提供したり、共感しながら話せる能力のことです。
熱意をもって周囲を巻き込みながら仕事を進める姿勢や、顧客の希望に応える思考で関係性を構築しようとする能力も「関係構築力」に含まれます。
顧客情報を理解するための「顧客把握力」
「顧客把握力」とは、顧客の組織や課題など、担当している顧客に関して深く理解する力のことです。
顧客の環境、業績に関することや顧客のニーズを把握するために分析する能力も含まれます。
営業には顧客の担当者や担当部署に関連する総合的な状況把握ができているかが求められます。
顧客の組織図を把握・理解し「キーパーソンは誰か?」と言うことを把握するにも必要な能力です。
合意を得るための「交渉力」
「交渉力」とは顧客との交渉だけでなく、関係する社内外の人間と合意形成できる力のことです。
営業活動は単に売り込むのではなく、顧客の課題解決に向けたものでなくてはなりません。
顧客に理解を促し、提案した事柄を納得させることが営業活動の根幹です。
また、顧客目線に立った文章作成や表現力や表情をはじめとした、言語外のコミュニケーションを含めた能力もこの交渉力に含まれます。
責任を負うための「自律性」
「自律性」とは、営業として責任を持った行動ができる力のことです。
顧客先への訪問だけでなく、実際に成果につながる営業活動ができているかが営業活動では重要となります。
営業目標達成に向けて、自分を律した活動ができているかが「自立性」で問われます。
言われたことをこなすだけでなく自分自身で考え、主体的に行動する能力もこの「自律性」に含まれるのです。
商品を理解するための「知識要件」
「知識要件」とは、スムースな営業活動を行う上で、必要な知識を持っているかと言うことです。
担当商材については、自社商品だけでなく、競合の商品概要や比較点などを広く理解しているかも含まれます。
また、営業だけに留まらず、世間の情報に関心を持ち、あらゆる顧客の話に合わせられる知識などが「知識要件」です。
スキルマップで強みと弱みを理解しよう
営業の業務力を項目化し、客観的に数値化したものが「スキルマップ」です。
営業におけるスキルマップの項目には、「概念把握力」「関係構築力」「顧客把握力」「交渉力」「自律性」「知識要件」の6つの評価項目を盛り込むことで、より効果性の高いスキルマップが完成します。
いずれも営業にとって重要なスキルばかりです。
個人だけでなく、組織全体に対しても大きな効果が見込めるスキルマップを活用し、強みと弱みのいずれも理解していきましょう。