
営業会議の無駄をなくすChatGPT活用術|管理職が知っておくべきAI活用のコツ
営業会議が「時間ばかりかかって成果に結びつかない」と感じていませんか?
BtoB営業組織において、定例の営業会議は情報共有や意思決定の場として不可欠な存在です。しかし、現場では次のような悩みが多く聞かれます:
- 会議準備や資料作成に時間がかかる
- 会議中に論点がずれてしまう
- 会議内容が具体的なアクションに落とし込まれない
こうした課題に対して、いま注目されているのが「ChatGPT」の活用です。 自然言語処理の技術を活用したChatGPTは、議題整理や要点要約、議事録作成まで営業管理者の業務を強力にサポートしてくれます。
本記事では、営業会議におけるChatGPT活用のコツと具体的な使い方、さらに導入事例や注意点、またおすすめのAI議事録ツールについてもあわせて解説します。
目次[非表示]
- 1.なぜ営業会議は“無駄”になりやすいのか?
- 1.1.よくある課題
- 1.2.管理職のよくある悩み
- 2.ChatGPTで営業会議を効率化した企業事例
- 3.ChatGPTと組み合わせて活用したい「AI議事録ツール」
- 3.1.bellSalesAI (ベルフェイス株式会社 )
- 3.2.Miitel Meetings(株式会社RevComm )
- 3.3.JamRoll(株式会社Poetics)
- 3.4.AmpTalk(amptalk株式会社 )
- 4.営業会議で使えるChatGPTプロンプト集
- 4.0.1.▼アジェンダ作成に使えるプロンプト
- 4.0.2.▼議事録作成に使えるプロンプト
- 4.0.3.▼アクションプラン策定に使えるプロンプト
- 5.ChatGPT活用の注意点と成功のコツ
- 5.1.セキュリティと情報管理
- 5.2.小さな業務から導入し、使い方をチームで共有
- 5.3.KPIの可視化や目標設定にもChatGPTを活用
- 6.まとめ:ChatGPTで“成果に結びつく会議”へ
なぜ営業会議は“無駄”になりやすいのか?
営業会議では、準備や議事録作成、アクションプランの策定など、多くの時間と労力がかかります。これらの作業を効率化することで、会議の質を向上させ、営業活動により多くの時間を割くことが可能になります。
よくある課題
- 報告中心で双方向の議論が生まれない
- 目的が曖昧なまま時間だけが過ぎる
- 議事録が残らない/次のアクションが明確でない
このような会議が続くと、参加者のモチベーションは低下し、「会議のための会議」に陥ってしまいます。
管理職のよくある悩み
- KPIに基づいた進捗確認が不十分
- 現場からの意見が出にくく、戦略に反映されない
- 会議の質が属人化しており再現性がない
ChatGPTは、これらの課題を構造的に解決するきっかけとなります。
ChatGPTで営業会議を効率化した企業事例
ChatGPT×会議DXで取締役会を効率化──ミチビク社の取り組みとは?
ミチビク株式会社は、取締役会の運営効率化と意思決定の質向上を目的に、AIを活用したDXプラットフォーム「michibiku」を開発・提供しています。このツールは、会議音声を自動で文字起こしし、発言者ごとの発言時間や内容を可視化する機能を備えています。例えば、2時間の取締役会の音声データから、誰がどれだけ発言したかを把握でき、発言の偏りや議論の活性度を分析することが可能です。
さらに、ChatGPTを活用して会議内容を要約し、議事録の草案を自動生成します。これにより、議事録作成の手間を大幅に削減し、会議後の迅速な情報共有が実現します。また、会議での議題ごとの時間配分や議論の傾向をグラフ化し、PDCAサイクルの改善にも寄与します。
このように、michibikuは取締役会のデジタル化を推進し、企業のコーポレートガバナンス強化を支援しています。特に、上場企業やスタートアップのCFOや経営企画チームにとって、重要会議の効率化と質の向上は、戦略的な意思決定を支える重要な要素となっています。
参考:【取締役会における“議事録作成の効率化”を実現 ミチビク社における、ChatGPTを利用したサービス開発の裏側】
https://logmi.jp/main/technology/329318
三菱UFJ銀行が社内業務に生成AI「AI-bow」を導入|月22万時間削減を実現したDX事例
三菱UFJ銀行(MUFG)は、社内業務の効率化を目的として、MicrosoftのAzure OpenAI Serviceを活用した独自の生成AIツール「AI-bow(アイボウ)」を開発し、2023年11月に全行員向けにリリースしました。このツールは、稟議書の作成支援、金融レポートの要約、社内手続きの照会など、110以上のユースケースに対応しており、月間22万時間以上の労働時間削減が見込まれています。
AI-bowは、安全な環境での利用を確保するため、Azureの基盤上に構築されており、入力データが外部に漏洩するリスクを低減しています。また、社内の情報共有を促進するため、CDTO(Chief Digital Transformation Officer)を中心に「ChatGPT業態横断PT」を設置し、各部署間での活用状況や課題の共有を行っています。
さらに、MUFGは行員のデジタルリテラシー向上を目指し、生成AIの活用方法に関するガイドラインの作成やワークショップの開催を進めています。これにより、行員がAIを効果的に活用し、業務の質と効率を向上させることを目指しています。
MUFGの取り組みは、生成AIを業務のアシスタントとして位置づけ、人間の判断と組み合わせることで、より高度な業務遂行を可能にするモデルケースとして注目されています。
参考:【MUFG版「ChatGPT」の開発秘話 DX化を加速させる新たなオープンイノベーション 】https://www.mufg.jp/profile/strategy/dx/articles/0112/index.html
【生成AIを相棒のように使いこなせ!三菱グループ各社の社内活用事例、最前線 】
https://www.mitsubishi.com/ja/profile/csr/mpac/monthly/special_feature/2024/06/1.html?utm_source=chatgpt.com
ChatGPTと組み合わせて活用したい「AI議事録ツール」
営業会議の効率化を図るうえで、ChatGPTのような生成AIと併用したいのが最新の「AI議事録ツール」です。自動での文字起こしや要点整理、ToDo抽出などを支援することで、議事録作成の手間をなくし、会議後のアクション実行を確実にします。
bellSalesAI (ベルフェイス株式会社 )
bellSalesAI は営業特化のオンライン商談システム「bellFace」が提供するAI議事録ツールです。
商談の会話データからSalesforceに入力したい項目をAIが自動抽出することで、営業担当者の工数削減・案件管理の精度向上を実現できます。
公式HP:https://bsai.bell-face.com/
Miitel Meetings(株式会社RevComm )
Miitel Meetings は、話し方の速度や比率をAIで可視化し、営業スキルを定量化できるWeb会議解析AI ツールです。議事録作成機能も搭載し、商談の分析機能によって、改善点の発見やチーム内のトップパフォーマーの会話内容を数値化、新人教育にも貢献します。 またSFAやCRMとの連携機能も搭載されており、営業情報を一気通貫で管理できます。
公式HP:https://miitel.com/jp/service/meetings/
JamRoll(株式会社Poetics)
JamRollは、Google MeetやZoomなど主要なビデオ会議ツールと自動連携し、参加者の発言をAIが瞬時に要約&タグ付けしてくれるツールです。特に案件管理や社内報告の時間を大幅に短縮したい営業チームにおすすめです。
公式HP:https://jamroll.poetics-ai.com/
AmpTalk(amptalk株式会社 )
AmpTalkは、電話・商談の解析やSalesforceへの商談記録支援を通じて、AIが自動で書き起こし・要約・解析する営業支援ツールです。商談データを資産化し、営業力強化やナレッジ共有に活用できます。
公式HP:https://amptalk.co.jp/
営業会議で使えるChatGPTプロンプト集
ChatGPTを営業会議に活用すれば、準備・記録・アクション策定まで一貫して効率化できます。以下に、実際に使えるプロンプト例とその使い方をまとめました。
▼アジェンダ作成に使えるプロンプト
営業日報やミーティングメモの内容をもとに、次回会議で議論すべきテーマをChatGPTに抽出させるプロンプトです。会議前の準備時間を短縮しつつ、重要事項を漏らさず整理することができます。
「 以下の営業日報の内容から、次回営業会議のアジェンダを3つ提案してください:
(例)
- 顧客Aとの商談が決裂
- 顧客Bから新サービスに関する問い合わせ
- 今月の売上が目標比85% 」
▼議事録作成に使えるプロンプト
会議の発言ログや録音書き起こしを入力すれば、発言内容を自動的に整理・分類して議事録を生成できます。形式の整った議事録が即時に得られるため、共有スピードも大幅に向上します。
「次の発言ログをもとに議事録を作成してください。
発言者・要点・決定事項・未解決事項・次回アクションに分類してください。」
▼アクションプラン策定に使えるプロンプト
会議で話し合われた内容から、実際の行動に落とし込むまでをサポートするプロンプトです。議事録を渡すだけで、優先度の高いToDoや担当者別のアクションが明確になります。
「以下の議事録をもとに、営業部として今後1週間以内に行うべきアクションプランを3つ提案してください」
ChatGPT活用の注意点と成功のコツ
セキュリティと情報管理
ChatGPTを業務に活用する際は、社内の機密情報や顧客データの取り扱いに十分な注意が必要です。特に営業会議では、戦略や売上情報などセンシティブな内容が含まれるため、パブリックなChatGPTの使用は避け、API連携版や社内限定のクラウド環境での運用が推奨されます。
また、利用前には情報の取り扱いルールやログ管理の方針を明確にし、社内での誤使用を防ぐ体制づくりが重要です。
小さな業務から導入し、使い方をチームで共有
AI活用は、最初から大規模に導入するよりも、小さな業務から段階的に進める方が成功しやすいです。たとえば、営業会議前のアジェンダ作成や議事録の要約といったシンプルなタスクから始めることで、現場の業務にスムーズに組み込むことができます。
管理職が自ら先行導入し、実際の使用例や成果を共有することで、チーム全体に安心感が生まれ、AI活用の文化が根づきやすくなります。
また、議事録作成や情報共有の精度を高めるために、ChatGPTだけでなく「営業向けAI議事録ツール」の併用も効果的です。音声のリアルタイム書き起こし・ToDo整理・CRM連携などの機能を持つツールを導入することで、会議後のフォローアップ精度が格段に向上します。
KPIの可視化や目標設定にもChatGPTを活用
営業会議での活用にとどまらず、ChatGPTは営業KPIの分析や週報の要約、自動レポート作成にも応用できます。 例えば、CRMデータやSFAの出力をもとにChatGPTに以下のような指示を出すことで、チーム単位の改善施策を提案することも可能です。
「今月のKPI実績データをもとに、達成が遅れているチームに向けた改善施策案を3つ挙げてください」
また以下記事に、管理者に向けた「営業組織におけるKPI改善」について、ChatGPTを活用したノウハウをまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ:ChatGPTで“成果に結びつく会議”へ
ChatGPTは、営業会議に必要な準備・実行・記録・改善をワンストップで支援してくれるツールです。
- アジェンダ作成や資料要約で「準備の手間」を削減
- 会議中の要約・整理で「議論の深さ」を向上
- 議事録とToDo抽出で「アクションの明確化」
属人的な会議から脱却し、データに基づいた建設的な営業会議を行いたい企業にとって、ChatGPTの導入は極めて現実的かつ効果的な一歩です。また、営業会議の高度なデジタル化を実現するには、ChatGPTに加え、AI議事録ツールとの併用による“情報の自動整理・アクション化”も欠かせません。
まずは小さなプロンプトから試してみるなど、現場での“使える活用事例”を積み上げていきましょう。