質の高い営業研修を実施するために|資料作成のポイントや管理方法を解説
質の高い営業研修を行うには、分かりやすい資料やモデルケースなどが必要です。
特に講座形式で実施する際は、全員が理解しやすい資料を作成しなければなりません。
今回は、質の高い営業研修を実施するうえで欠かせない資料作成のポイントをお伝えします。
目次[非表示]
- 1.営業研修の資料を作る前に
- 1.1.研修のテーマを設定
- 1.2.構成を考える
- 1.2.1.研修で話すこと、伝えたいことを箇条書きする
- 1.2.2.メモをもとに順番の整理を行う
- 1.3.情報を整理する
- 2.営業研修の資料作成ポイント
- 2.1.社内の意見を反映させる
- 2.2.見やすいレイアウトを意識する
- 2.2.1.スライド内に余白を入れる
- 2.2.2.フォントは統一する
- 2.2.3.全体のレイアウトを統一する
- 2.2.4.文字の色を使い過ぎない
- 2.3.『1メッセージ』を意識
- 2.4.グラフや画像を用いる
- 2.5.書き込み部分を作っておく
- 3.営業研修の資料が完成したら…?
- 3.1.ダブルチェックを行う
- 3.2.社内で共有する
- 3.3.繰り返し使用する場合は都度確認
- 4.営業研修の資料作成は伝わりやすさが大切
営業研修の資料を作る前に
営業研修に限らず、企業で行う研修は講義用に作成した資料をもとに行われることが多いでしょう。
そのため、いかに参加者の興味を引きつけ、高い営業力を身に付けられるかは、資料の質がインプットに影響を与えることもあります。
質の高い資料作成するためにも、3つポイントに気をつけて作成することが大切です。
研修のテーマを設定
はじめに、研修の目的を決め、その目的に沿ったテーマの設定が必要です。
研修に参加した社員が研修を終えたときにどうなっていて欲しいのか、そのイメージを明確にしましょう。
目的が決まった後はテーマの設定です。テーマは、研修に参加する社員の属性によって異なります。
例えば、新入社員が中心の研修であれば、「営業の一連の流れやセールストークの基本を知る」
中堅社員が中心であれば、「営業チーム内でのリーダーシップや上司へのフォロワーシップの発揮方法、チームを活性化させる方法」
ベテラン社員であれば、「社員の管理、目標設定や目標達成のためのマネジメント、部下育成スキルの向上」
などが考えられます。
構成を考える
次に研修構成を考えます。
思いつくままに資料作成をしても、参加者にその内容を理解させることは難しいでしょう。
一般的に研修資料はパワーポイントやキーノートのようなプレゼンテーションソフトを使い作成しますが、いきなりスライドを作るのではなく、まずは全体の構成を考えましょう。
構成を考える際のポイントとしては、次のような点が挙げられます。
研修で話すこと、伝えたいことを箇条書きする
まずはおおまかに話したいことや伝えたいことを箇条書きでメモに残しましょう。
実際に話すかどうかは別として、思いつくものはすべて書いておくと、伝えたい内容が整理され、話の流れが乱れることがなくなります。
メモをもとに順番の整理を行う
箇条書きにしたものをどの順番で話せば参加者が理解しやすいかを検討し、整理していきましょう。
ポイントは、まず大枠を伝え、そこから細かい内容を話すような流れにすることです。
今回の研修では、どのような話をするのかを最初に伝えることで、参加者は全体の内容を理解しやすくなります。
また、この作業の流れで、実際に話す項目を選択していきます。
情報を整理する
最後に、研修に必要な情報を整理しましょう。
例えば、「自社が扱う商材の市場規模を説明するためのデータ収集」「営業のセールストークで重要とされるポイントはなぜ、重要なのか、その根拠の説明」などを整理します。
営業研修で成果を上げるために欠かせないポイントの一つが「説得力」です。参加者が講師の話を聞いていて浮かんだ疑問は研修の中で解消させないと、疑問を持ったまま業務に戻ることになり、せっかくの研修を無駄にしてしまいます。
研修の中で参加者の疑問を解消させるためには、事前にしっかりと情報を収集し、研修内容の根拠となる部分を明確にする必要があります。
その上で、参加者の疑問を解消させる答えを用意できるかどうかが、資料作成を成功させるカギとなるでしょう。
営業研修の資料作成ポイント
資料作成のための準備を終え、実際に資料作成を行なっていきます。
既に構成を決めているはずですので、どのようにしたら参加者に伝わりやすいのかを考えなければなりません。
ここでは参加者に伝わりやすくするうえで欠かせないスライド作成のポイントについて説明します。
社内の意見を反映させる
社内の人間が講師を務める研修では、現場を知っている社員が実践的な内容を盛り込めるメリットがあります。
ただし、社内の人間は講師を専門としているわけではないため、必ずしも多くの社員に対して指導をすることが得意であるとは限りません。
また、自分なりの意見を主張させ過ぎてしまい、汎用的な内容の研修ができない問題が発生する場合も考えられます。
そこで、質の高い研修内容にするためには、周囲の意見を取り入れ、多角的な面から内容の精査をするとよいでしょう。
例えば、新入社員を対象とした研修であれば、営業部の上司や教育係の社員に新入社員に何を求めているのかを聞きます。
また、新入社員に対しても、自分に何が足りていないか、何に課題を感じているかを聞き、その答えとなる内容を盛り込むようにすることもおすすめです。
見やすいレイアウトを意識する
スライドを作成するうえで最も重要ポイントは、参加者が見やすい、一目でわかるようなレイアウトを意識することです。
具体的には次の点に注意して作成します。
スライド内に余白を入れる
スライド全面にびっしりと文字が詰まっているレイアウトにしてしまうと読みづらく、集中力が途切れてしまうリスクがあります。
スライドの周囲やタイトル、説明、画像などそれぞれの間には適度な余白を入れましょう。
また、図形の中に入れ込む文字についても、十分な余白を入れると視認性が高まります。
フォントは統一する
タイトルや強調したい部分だけフォントを変えれば、目立って記憶に残りやすいと思われるかもしれません。
しかし、ところどころでフォントの種類を変えると見づらくなり、かえって逆効果です。
目立たせたい部分は太字にする、サイズを大きくするなどにし、コントラストをつけ、フォント自体は統一させたほうがよいでしょう。
全体のレイアウトを統一する
例えば、画像やグラフは基本的に左部分に配置し、その説明を右部分に配置するなど、全体のレイアウトを統一させます。
これにより参加者は、スライドが変わるたびにどこに何が書かれているかを気にする必要がなくなり、より研修内容に集中しやすくなるでしょう。
文字の色を使い過ぎない
基本的には1枚のスライド内で使う色は、黒以外に最大でも2色までです。
ただし、2色といってもあまり派手な色にしてしまうとそこに意識が集中し過ぎてしまい、ほかの部分が頭に入りにくくなります。
そのため、基本はグレー系統の抑えめの色使いにし、強調したい部分だけを少しだけ濃いめの色にすると全体が頭に入りやすくなるでしょう。
『1メッセージ』を意識
1枚のスライドの中に伝えたいメッセージをいくつも入れてしまうと、参加者はどれが重要なのかを理解できず、結果としてどれも中途半端にしか記憶に残らなくなります。
そこで、1枚のスライドの中には伝えたいメッセージを1つだけにしましょう。
また、メッセージは長文にしてしまうと理解することが難しくなる上、文字数が増えて見づらくなってしまいます。
そのため、スライドに書く文字はできるだけ箇条書き、体言止めなどを活用し、文字数を減らす工夫が必要です。
さらに、一般的に人の視線の流れは上から下、もしくは左から右です。
そのため、スライドに下や右側部分に伝えたいメッセージを入れても、埋もれてしまい記憶に残りません。
伝えたいメッセージは必ずスライドの上部分か左部分に記載するとよいでしょう。
もう一つのポイントとして、「Zの法則」の活用が挙げられます。
前述した人の視線の流れ、上から下、左から右、つまりローマ字の「Z」のように動きます。
そのため、1枚のスライドの左側の上から下、右側の上から下というような流れで文字や画像を配置していくと、全体像をつかみにくくなるのです。
Zの法則を活用し、コンテンツは上下で分け、そのうえで、左から右へとつながるようにすれば、一目で全体の流れをつかめるでしょう。
グラフや画像を用いる
スライドに文字しかないと、それを読むのに集中してしまい、講師の話が耳に入らなくなってしまうリスクがあります。
そこで、グラフや画像を効果的に使い、できるだけ講師の話に集中できるようにしましょう。
また、特にグラフはできるだけ一目で何を表すグラフなのかをわかるようにします。
あまり細かい文字や数字を入れると、それを確認するのに時間がかかってしまうため、重要な文字、数字以外は省略することが重要です。
書き込み部分を作っておく
講師の話に集中できるようにするため、「書き込み部分を作っておく」ことも重要です。
スライド内の文章がすべて読むだけで完結してしまう形にすると、参加者はスライドを目で追うだけで集中力が切れてしまいやすくなります。
例えば、
「文書の一部を虫食い形式で記載しておき、その部分は自分で書き込むようにする」
「話題の合間に『質問・疑問はありませんか?』のページを挟む」
など、書き込み部分を作ったり、参加者の目をスライドや手元の資料から講師のほうへ向けさせたりする工夫をすることで集中力を維持させましょう。
営業研修の資料が完成したら…?
様々な工夫を凝らして営業研修の資料作成後、より完成度を高めるためにやるべき点について3つのポイントを紹介します。
ダブルチェックを行う
作成した資料は必ず確認を行います。
誤字脱字、データの数字間違い、スライドの順番、内容に矛盾している部分はないかなどをしっかりと確認しましょう。
確認のポイントは、作成者一人ではなく、別の人間がもう一度同じ確認作業をするダブルチェックです。
作成者は間違いないと思って作成しているため、簡単なミスにも気づかない場合があるため、必ず別の人間が同じ観点で確認することが重要です。
また、別の人間が違う角度から確認するクロスチェックという方法もあります。
特にデータの確認作業においては、ダブルチェックだけではなく、クロスチェックも行なったほうが確実にミスを防げるでしょう。
社内で共有する
資料を社内で共有して確認してもらいます。
特に前項の「社内の意見を反映させる」で、作成時に意見を聞いた社員に確認してもらい、ヒアリングを実施した内容が反映されているかを確認してもらいましょう。
参考になる意見をもらったものの、間違えて理解している場合もあるため、必ずヒアリングした本人に見てもらい確認するようにします。
繰り返し使用する場合は都度確認
質の高い資料は一回限りではなく、何度でも繰り返し使用可能です。
特に新入社員研修用の資料は、ビジネスマナーや営業業務の基礎などを中心に行うため、基本的には毎年使っても問題はありません。
ただし、自社の関わる業界の市場規模、自社の売上高の推移といったデータは常に更新されます。
そのため、どんなに質の高い資料であっても、繰り返し使用する際は、必ず確認し、特に数字の部分は新しいものに修正する必要があるでしょう。
営業研修の資料作成は伝わりやすさが大切
質の高い資料を作成するためには、講師一人だけではなく周囲の意見も取り入れ、相手に伝わりやすい工夫をしていくことが重要です。
今回ご紹介したポイントを踏まえ、営業研修の資料作成をしていただけると幸いです。
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