営業研修とは?現場で役立つノウハウ・スキルを身につける方法
会社が成長するためには、売上を上げなければなりませんが、ただ働いているだけでは上がる訳でもなく、社員一人ひとりが成長することが重要です。
売上を上げるためには、営業担当者の役割が重要で、「営業研修」を行いスキルアップに取り組むことも必要です。
とはいえ、営業研修をするにしても、どのようなプロセスで教育していくと良いか、理解はしていても実際に行動に落とし込むことができていない現状も見受けられます。
今回は、営業研修の意義やその目的、どのようなポイントを押さえて営業研修を実施すべきか、具体的な内容、注意点などについて解説していきます。
目次[非表示]
- 1.営業研修とは
- 1.1.営業研修の目的
- 2.営業研修で学べること
- 2.1.営業の基本知識
- 2.2.ヒアリング能力
- 2.3.商談でのトーク・提案力
- 2.4.プレゼン方法
- 2.5.マーケティング知識
- 3.営業研修後に感じる課題
- 3.1.実践で上手く活用できない
- 3.2.講義形式だとインプットが足りない
- 4.営業研修を成功させるには
- 4.1.目的や目標を明確にする
- 4.2.研修カリキュラムの精度を高める
- 5.営業研修の内容を現場で使ってもらえるように
営業研修とは
営業研修とは、先輩社員や役員、時には外部講師を招き、営業担当者のスキルアップをするために実施されます。
また、新入社員研修の一環として行われることもあります。
営業研修の目的
営業研修には二つの目的があります。
ひとつは営業スキルの育成です。
一人ひとりの営業スキルを向上させることによって組織全体の売上がプラスに改善されるのはもちろん、組織内でお互い切磋琢磨していくためのモチベーションアップにも繋がります。
もうひとつは営業・経営方針を営業全員と共有することです。
各々が自分なりの営業スタイルだけで動いていては、たとえ一時的に営業成績が上がったとしても組織が目指す方向に進んでいなければ、本質から逸れてしまうことも考えられます。
結果として全体のモチベーションが下がり、組織的な動きが上手く回らなくなることもあるでしょう。
企業毎の理念や指針に基づいた行動ができるかつ、売上を上げることが営業の理想であり、営業研修を行う目的となります。
営業研修で学べること
営業研修では、基礎~応用まで営業に関するあらゆることを学ぶことになります。
営業の基本知識
営業の基本知識といっても、単に営業のテクニックを身につけるための知識だけではありません。
組織における営業の役割、また組織内のプロジェクトにおいて営業がどのような立ち回りを担うべきなのか、現場での立ち振る舞いからメンタル強化など、組織を構成する一員としての基本的な心構えを学ぶことになります。
身だしなみやマナー、言葉遣いなどの実践で役立つ知識から、アポイントメントを獲得するコツや名刺交換のロールプレイなどもあります。
営業アプローチから契約成立までの基本的なプロセスにおいて必要なことを学びます。
ヒアリング能力
ビジネスでは「傾聴力」が重要とされていますが、営業においては「ヒアリング能力」と呼ばれ、顧客の現状や課題、今後の未来など、あらゆる情報を聞き出すことが大切です。
ヒアリングの基本は、顧客の課題をより細かく引き出すかが特に重要ですが、顧客自身が課題を認識しておらず、何が原因なのかを把握していないこともあります。
そのため、顧客に関する過去・現在・未来をベースにあらゆる情報をヒアリングすることで、課題に限らず、思わぬニーズや今後の未来についてお互いに認識を合わせることができます。
また、ヒアリングでは「質問力」が重要です。
営業であれば、業界を問わず商談や議論を進める上で必ず求められるスキルです。
聞き手に徹するだけでなく自らの意志を発信する顧客側も、営業に対して的確なレスポンスとしての対話を望む傾向が顕著になっているからです。
事前準備の段階から、顧客の属性や嗜好を先回りしてリサーチし、加えて会話の場では顧客からの発言に対して的を射た質問で返すことにより、相手の真意を見抜いてより交渉の本質に迫る糸口を掴めます。
ヒアリング能力を鍛えるための実践的なロールプレイとしては、仮想としての顧客に聞き取りし、相手が困っているところや欲しているものを洗い出し、タイミングをみて相手の情報を深い部分まで聞き出せるような質問を投げかけるトレーニングが必要です。
顧客の本質的なニーズを引き出せたかどうか、的確な質問ができていたかなどのフィードバックをします。
また、常日頃から3C分析など取り巻く全体像にも視野を広げておくことで会話の引き出しや、的確な返答に繋がりますね。
商談でのトーク・提案力
初回接触時のヒアリングによって顧客のニーズを拾い、次回提案にて具体的な提案に移るわけですが、自社サービスのメリットや強みなどを伝えるためトークスキルや提案力向上を図ります。
営業でのトークスキルには様々なテクニックがありますが、提案力は契約の決め手として欠かせない能力です。
顧客が抱える課題を分析し、課題解決としての提案を分かりやすい形で開示していくことが目に見える成果を発揮する近道です。
ヒアリングから提案、さらには提案を可視化させるためのプレゼンに繋がるプロセスをいかに円滑に行うかが営業成績に直結するため、若手のみならずベテランの営業担当者も改めて提案力に関するノウハウは熟知しておくべきです。
プレゼン方法
自社サービスを顧客に提案する際、どのような方法でプレゼンするのかで成約率にも影響します。
単に商品の魅力を伝えるだけでは、購買意欲を高めることも、納得させることも期待できません。
プレゼンテーションでは相手の心を掴むためのトークや資料、データなどを用いて視覚的に自社サービスの良さを伝えなければなりません。
そのため、サービスの魅力だけでなく、顧客の費用対効果や間接効力など、経営者目線での考えを取り入れることも必要です。
簡潔で意図の伝わりやすいツールをフル活用、機敏なトークによって顧客の潜在的なニーズを引き出す技術、心理面で相手の欲求を突き動かすノウハウからロジカルな方法論など。
顧客の特性に応じてプレゼンのスタイルを自在に変えていく柔軟さも営業として必要です。
マーケティング知識
マーケティングで市場の全体像を把握・分析し、実際の営業活動と連携させるための研修も営業スキルの向上には欠かせないカリキュラムのひとつです。
マーケティングでの成果が営業戦略の成果に直結する可能性が大きく、緻密かつ迅速なマーケティングは営業活動の土台として機能します。
マーケティングの全体像を理解しているだけでも、営業活動に活かせることが多く、あらゆるケースで役に立つスキルです。
市場ニーズを的確に分析、ターゲットへの効果的なアプローチ方法など、深い知識を身につけることで、フィールドセールスにおいて実践で役立つ情報を活用できるのです。
営業の育成については以下の記事もご参考ください。
営業研修後に感じる課題
営業研修で教育すべきことは理解していても、イマイチ上手く伝わらなかったり、何から教えて良いか分からなかったりなど、様々な課題があります。
実践で上手く活用できない
一通りの営業研修を終え、様々な知識を得ても「実践で上手く活用できない」悩みを抱えた営業も少なくはありません。
机上の理論による研修への依存度が大きい研修で発生しやすいため、より実践を意識した営業研修にシフトチェンジすることが解決への第一歩です。
実践形式でのロールプレイングをベースとしたOJTによる丁寧なフィードバック、市場の現状と密着したリアルタイムでのインバスケット思考を鍛える研修が実践力向上には必要不可欠でしょう。
研修終了後、受講者が職場に戻った際に学んだことを現場で活用するためにも、実践力の向上を優先した育成プロセスが研修には求められます。
講義形式だとインプットが足りない
座学を中心とした講義形式の研修だと、実践で役立つスキルのインプットが円滑に進みません。
個々の企業が持つ強みや商材に応じた研修題材を効率的に活用し、理解度が深まるまで何度でも繰り返す、徹底したロールプレイングが研修後の即戦力として通用する営業担当者の育成に繋がるわけです。
綿密なインプットを実現するためにはOJTだけでも十分ではありませんが、時間が足りないためにインプットが不完全なまま研修を終えてしまうケースも多々あります。
講義と模擬実践をバランスよく取り込むような研修プログラムを整備しておくべきでしょう。
営業研修を成功させるには
目的や目標を明確にする
営業研修を成功させるためには、研修するための目的や目標を明確にするということです。
何のために行う研修なのか、教育者側から与えられる目標設定だけでなく、受講者のニーズとも合致した研修内容や方向性を定めておくことが結果として目的・目標の明確化を実現させます。
営業研修における目的とは、研修前と研修後を比較したときに受講者の営業能力やその他諸々の社会的スキルがどのように変化したかを分析し、研修で習得した学びを営業活動に転換させることです。
一方で研修における目標というのは、企業のコンセプトに沿った営業担当者を育成し、サービスの販売力を高めていくことになります。
企業にとって営業面での課題を解決するための手法としては、営業担当者の行動を管理するマネジメント戦略や、チーム単位での営業体制の再構築、パーミッション獲得率にウィークポイントのあった営業活動の見直しを主眼としたトレーニングの組み立てなどさまざまです。
研修カリキュラムの精度を高める
研修カリキュラムの精度を高めるには、緻密で柔軟な、あらゆるケースを想定した対応をロールプレイングしていく研修が必須となります。
そのため、一般的な研修における教科書通りの営業ノウハウの習得ではなく、自社サービスにフォーカスしたオリジナルの研修カリキュラムを構築できる研修代行会社を選定することも重要です。
また、プレーンな営業スキルでは具現化されない、実際の営業活動で成果を出すためにどのような手順を踏んでクローズへと到達するかというプロセス構築の一要素となる「コト」に着目し、コトの差を明確にした理解の徹底を推し進めていくことがポイントとなります。
営業研修の内容を現場で使ってもらえるように
現場で役立つ営業研修のノウハウや、スキルを向上させるための仕組みについて解説しました。
研修というと大きく考えてしまいますが、さまざまなスキルが複合的に重なる営業力向上のためには日々勉強や練習は欠かせません。
何を目的とし、いかに現場で使ってもらえるか、研修担当者の手腕が問われます。
営業研修を行いたいが、カリキュラムがないのであれば以下記事も参考にしてみてください。
また、営業研修を自社で行うにしても、時間やコスト面で実現が困難な場合、外部委託することも選択肢のひとつです。一定の緊張感をもって研修に臨むことも必要かもしれませんね。
インプレックスアンドカンパニーでは、各企業が持つ個々の話題に深く入り込んだハンズオン型の営業研修を提案し、クライアントの機能の一部として売上向上に貢献できる人材育成を得意としております。
営業マネージャー・営業担当へのヒアリングを中心に現状を把握し、ショートロールプレイングの結果から現状のスキルを分析、ロールプレイングだけでは解決できない題材など、営業現場や会議へ同席することにより抽出します。
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