営業の原理原則とは?営業プロセスを管理して組織を効率化しよう
営業活動では、リスト作成から顧客へのアプローチ、商談などのプロセスを踏み、成約に至ります。営業にとっては当たり前、ルーティンワークのようにこなす方も多いのではないでしょうか。
2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、市場の急激な変化や営業形態の変化もありました。訪問が出来ず、フィールドセールスからインサイドセールスに舵切をする企業も多かったと見受けられます。同様に顧客ニーズも多様化しましたね。オンライン商談ツールはまさにそうではないでしょうか。
こういった時代の急激な変化や、当たり前が通用しなくなることは、2020年に突然起こったことではなく、事象の大小はあれど常に起こり続けていることです。そういった環境や業界、業種に左右されない不変の法則が「営業の原理原則」です。
今回は、「営業の原理原則」を活用した営業プロセスマネジメントの役割やメリットなどについて解説していきます。
目次[非表示]
- 1.営業の原理原則とは?
- 1.1.営業の原理原則をベースとした営業プロセス
- 1.2.営業プロセスを管理すること
- 2.営業プロセスマネジメントをするメリット
- 2.1.プロセスごとの課題が分かる
- 2.2.ファネルを見える化できる
- 2.3.過程での評価・分析ができる
- 3.営業プロセスマネジメントの方法
- 3.1.各プロセスごとに管理をする
- 3.2.目標との乖離をみる
- 3.3.併せて行動管理もする
- 4.営業プロセスマネジメントを効率化するためには?
- 4.1.営業の原理原則をトレースする
- 4.2.外部視点を取り入れる
- 5.営業の原理原則は必ず身に着けよう
営業の原理原則とは?
営業の原理
どのような業界であっても、営業というアクションはプロセスに分解される。
そのプロセス積み重ねが、営業という行為を成立させるということ。
営業の原則
各プロセスにはそれぞれゴールがある。
そのゴールに到達しなければ、次のプロセスには移行しないということ。
この営業の原理原則をベースに、営業プロセスマネジメントを行う目的があります。
基礎基本となる営業の型を身に着け、属人化しやすいと言われる営業において、個人間での差を解消することです。
分解された営業プロセスごとに目標や達成度合いを測り、課題を抽出し改善することで、環境や業界・業種に柔軟に対応できるようになります。
まずは基本的な各プロセスにおける進捗管理やアクションの質を管理していきましょう。
営業の原理原則をベースとした営業プロセス
そもそも営業プロセスとは、営業に必要なアクション・業務を段階ごとに分解したものです。
以下5つの営業プロセスに分けることができます。
サービスによっては、二回の提案に分けたり、トライアル導入したりなど、より成約に繋がりやすいプロセスのもと営業活動が必要な場合もありますが、それはあくまでも応用です。
営業職は、属人化しやすいと考えられていることから、営業個人の性格やタイプなどで成約率が変わることもあります。ただそれではあまりにも個人に依存した業績になってしまいます。
営業組織として成功するプロセスを設け、各担当者がそのプロセス通り行動することで、一定のパフォーマンスを担保する役割がこの営業の原理原則にはあります。
営業プロセスを管理すること
営業プロセスマネジメントの一番の目的は目標達成し、売上を上げることです。5つのプロセス毎に分けて管理することで、分析や課題抽出がしやすくするため、段階ごとに分けて管理をしましょう。
しっかりとプロセス毎に分けることで、感覚的ではない現状把握に繋がり、目標に対してどのプロセスが乖離を起こしているのか、逆にどの部分に強いのか等が見えてくるため、営業個人への指導のほかに組織全体での戦術策定にも繋がります。
その結果、プロセスにおける最適化や効率化を図ることができます。
うるさいようですが、営業活動は各プロセスの積み重ねです。
例えば、事前準備ができていないのに顧客アプローチをしても、顧客のニーズを拾うことや問題解決が出来るでしょうか?営業プロセスマネジメントの精度がその後の成果に繋がることになります。
営業プロセスマネジメントをするメリット
営業個人であっても、営業マネージャーであっても、メリットを理解して管理をしないとどこかでまた属人的に偏ってしまいます。
属人化を排除し、組織全体・事業全体で営業活動を安定的に進めていくためにも、営業プロセスマネジメントをすることのメリットを具体的に掘り下げて3つご紹介します。
プロセスごとの課題が分かる
先述したとおり、営業プロセスマネジメントをすることで、プロセスごとに課題が見えやすくなります。
営業活動の全体像での課題を掘り起こそうとしても、結局のところ何をすれば良いかがはっきりしないことはありませんか?
また、仮に課題を全て洗い出せたとしても、複数あった場合にどこから着手すべきなのか、優先順位を付けるにも判断が難しいときはありませんか?
営業プロセスごとに管理することで、プロセスごとに解決すべき課題が明確になるため、優先的に解決すべき課題を見つけることができます。
簡単な例をあげると、「アポイントが獲得できない」という現状に対して、それがなぜ起こっているのか原因特定をしたいとき。営業側に問題があるのか、ターゲットがミスマッチなのか、様々な要因が思いつくかもしれません。
そういった場合に、まずは内部的要因として営業側の分析をします。アプローチ前の事前準備は出来ているのか、アプローチトークはしっかりとターゲットに対して効果があるトークなのか、分解して考えます。
もし機械的にアプローチをしてしまっているのであれば、事前準備を強化します。
もし事前準備は出来ているが、トークに落とし込まれていないのであれば、アプローチを強化します。
各プロセスは前のプロセスの積み重ねによって成り立っているという原理をもとに、まずは事前準備における課題を解決し、次にアプローチにおける課題を解決していくというように計画を立てていきましょう。
ファネルを見える化できる
ファネルとは、営業プロセスと似た意味を持つため混同されがちです。
営業プロセスは営業活動におけるアクションを段階分けすること。
ファネルは顧客がサービスを認知し、購入に至るまでの行動を段階分けすることをいいます。
ファネルは、営業プロセスと類似する考え方ができ、プロセス毎の数値をファネルに置き換え、分析することで、より解決策を見いだすことができます。
例えば、リード獲得においてテレアポを実施する段階(プロセス)では、架電数~受付突破数~アポ率~商談化率など、プロセスの中での結果数値をファネル分けすることができます。
ファネルを見える化することで、架電数が足りないから増やす、アポ率が上がらないからトークを変えてみるなど、具体的なアクションに落とし込むことができます。
もし数値管理が十分でないのであれば、まずはファネル毎の数値管理をし、そこから現状把握をすることをおすすめします。SFAなどの導入がなくても、数値管理はExcelやスプレッドシートなどでしっかりと行いましょう。
過程での評価・分析ができる
ファネルの見える化に共通する部分もありますが、営業プロセスマネジメントをすることで、プロセス毎に評価・分析することができます。
ここでいう評価は、アポ率や受注数などの定量的な評価はもちろん、現場に出た営業が感じた顧客の角度やイメージなど、定性的な評価も含まれます。
例えば、受注率が低い要因には、アポイントの質やリード数が少ないなど、定量的な要因も考えられますが、提案内容やトークスキルなど定性的な要因も考えられます。
そのため、大事な商談は上司に同行してもらうことで、サポートしてもらい、後日フィードバックを受けることで、営業スキル向上に繋がるでしょう。
このように、営業マネジメントをすることで、営業活動の各シーンにおいての課題解決の仕組みをつくることができます。
営業プロセスマネジメントの方法
営業プロセスマネジメントを行うメリットは感じていただけたでしょうか。育成だけではなく業務効率化ができ、結果的に売上向上に繋げていけるイメージが出来ていれば嬉しいです。
ここからは、営業プロセスマネジメントの具体的な方法を解説します。
各プロセスごとに管理をする
営業プロセスマネジメントでは、プロセスごとの行動管理を行う必要があります。
先ほどのプロセス例で説明すると、このような流れとなりますが、それぞれのプロセスにおける行動指針や行動目標を決めておく必要があります。
1.事前準備:仮説を立てる
顧客の課題を想定し、自社の強みにマッチした準備ができているか?
2.アプローチ:顧客の信頼を得る
ニーズや課題に対する合意を得られた上で商談を進めているか?
3.ヒアリング:立てた仮説を検証する
顧客のビジネス課題を捉えられているか?
4.提案:解決策を提示する
顧客の課題解決に繋がる提案ができているか?
5.クロージング:決断へ後押しする
商談を次に進めるためのネクストアクションが決められているか?
このように、決めた事に対して営業担当者が行動できているかを管理します。
こうすることで、営業組織をコントロールでき一定のパフォーマンスを出すことに繋がります。
目標との乖離をみる
ゴールまでの距離を知ることが、目標達成へ至るまでの計画を立てるために必要です。
ただし、定性的な目標ではなく、具体的な数値目標・KPI(Key Performance Indicators)を定めることが重要です。
さらには、短期的な目標だけを定めるのではなく、短期的な目標と中長期的な目標の両方を設定すべきことに注意しましょう。
短期的な視点でマネジメントを行った場合、一時的には売り上げは上がるかもしれませんが、全体的な業績改善には必ずしも結び付かない可能性があります。また、実際にスキル装着までの時間も一朝一夕にできるものではありません。
月次だけでなく、3ヶ月ごと、半年~1年など、期間ごとに分けた目標設定も大切です。
計画した目標が達成されているか、達成していない場合はどのくらいの乖離があるのかなど、目標に対する進捗管理を営業マネージャーだけでなく、営業個人レベルでぜひ行ってください。
併せて行動管理もする
行動ベースでの管理も行う必要があります。
例えば、ニーズや課題をヒアリングした上で商談に進めているかを確認したとき、営業担当としては漏れなくヒアリングできていたとしても、その中身の質はどうでしょう?
ヒアリング情報に漏れがあったり、必要な情報が整理されていなかったりなど、結果だけでなく行動の精度を見ていく必要があります。
そのため、行動の質を上げるために、「明確な要件定義ができているか」「顧客の視点で考えているか」など、具体的な行動に対するチェックリストを設けることで、営業マン自身の課題が明確になり、日々PDCAを回せるようになるのです。
実際に具体的なアクションに落とし込んで、営業プロセスチェックシートを基に営業組織改革が進んだケースも多々あります。
数値化された目標だけでは、何を改善すればよいか分からず、結果にも表れないことも多々あるかと思います。
数値化されたデータを参考にした上で、行動ベースにまで落とし込むことで、小さくても改善されている点が分かるようになり、営業のやる気の向上にも繋げていきましょう。
営業プロセスマネジメントを効率化するためには?
営業プロセスマネジメントの非常に重要な役割を持ちますが、営業プロセスマネジメントをより効果的・効率的に行うためにはどうしたら良いのでしょうか?
初めはなかなかうまくいかないこともあると思います。どういったアクションがいいのか、内部で取り組む方法と外部に依頼する方法の2つをご紹介します。
営業の原理原則をトレースする
現状、組織における営業プロセスがあるのであれば、研修を行うこと、日頃のロープレや日報に組み込む、新人教育方法を見直すなどをして、営業部単位でベースを浸透させることも出来ます。
教育担当が異なることで、新人の営業プロセスが属人化してしまい結果的に、営業組織全体で営業プロセスにバラつきがあり統率が取れない場合に有効的です。
また、新人営業に限らず、商談採点表を作成するであったり、最近で言えばオンライン商談ツールに備わった録画機能を用いた商談アセスメントや振り返りによって、既存営業にも営業の原理原則を浸透させる方法もあります。
外部視点を取り入れる
営業プロセスマネジメントをより効果的に行うには、客観的な意見を取り入れることが重要です。特に、数値目標については、経営陣も話し合いに参加して決定すべきでしょう。
例えば、仕組化されているモデルケースを参考に、営業プロセスを客観的に見直すことで、より効果的な方法を取り入れたり新たなツールを導入する選択肢も広がります。
他にも、外部の営業コンサルタントに頼ることも有効な手段です。
営業コンサルタントは、数々の企業を支援することで積み上げられたノウハウ・スキルを持っています。
また、他社の成功事例を参考にしたマネジメントの知見もあります。
計画中の目標がそもそも適切な数値なのか、業界の一般的な数値で見るとファネルの中のどの部分で顧客が多く減るのか、すなわち改善余地のあるプロセスはどこなのかなど、現状分析から改善方法の策定までを任せることができるのです。
それだけではなく、行動面で行うべきことをより細かく、あるいは新しい手法や仕組みを提案してもらうことができます。
スタートアップで人手が足りていない企業、今までの手段では業績が伸び悩んでいることから新しい考え方を取り入れたい企業など、外部リソースを必要としている企業にとっては、成長を促し、現状打破する手段としておすすめです。
営業の原理原則は必ず身に着けよう
今回は営業の原理原則をベースとした営業プロセスマネジメントについて解説いたしました。
営業活動は、営業プロセスマネジメントを行うことで、目標達成をするために必要な営業マンの行動管理することができ、売上達成に大きく貢献できるでしょう。
とはいえ、「そもそも営業の原理原則がわからない」「営業プロセスマネジメントができる人材がいない」「マネージャーはいるがリソース不足で困っている」などのお悩みはありませんか?
弊社インプレックスアンドカンパニー株式会社では、営業プロセスマネジメントや営業組織構築など、営業活動に関する全般業務を代行する営業代行サービスを提供しております。
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