営業クレームでメンタルが落ち込む前に知りたい対応方法
お客様と直接コミュニケーションを取ることが多い営業や接客業従事者などは、ときに営業クレームを受けることもあるでしょう。営業クレームばかり受けていると、どうしても落ち込んでしまいます。
しかし、営業クレームは自社がよりよくなるためのヒントが詰まっているものだともいえるでしょう。そのため、冷静に受け止めて、客観的に分析する必要があります。
本記事では、営業クレームが発生する理由や営業クレームを主張するお客様のタイプ、営業クレームへの対応方法を解説しましょう。営業クレームばかりでメンタルが落ち込んでしまいそうな方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次[非表示]
- 1.営業クレームが発生する理由
- 1.1.自社のミス
- 1.2.お客様のミス
- 1.3.コミュニケーションのミス
- 2.営業クレームを主張するお客様のタイプ
- 2.1.感情的タイプ
- 2.2.理屈タイプ
- 2.3.SNSや口コミへ書き込むタイプ
- 3.営業クレームの対応方法
- 3.1.クレームの内容を確認する
- 3.2.きちんと謝罪する
- 3.3.事実とお客様の主張を区別して理解する
- 3.4.改善策を伝える
- 3.5.今後はどのように対応するか伝える
- 4.営業クレームばかりでも落ち込まないように
営業クレームが発生する理由
まずは、そもそも営業クレームが発生する理由について解説します。
原因を突き止めることはクレームを減らすために非常に重要なことです。
自社のミス
自社の商品やサービスに不備があったり、お客様対応した社員に不手際があったりした場合、営業クレームが発生します。
たとえば、もう営業に来ないでほしいと言われたお客様に再度営業アプローチしてしまったり、サービス契約後のフォローが甘かったりすると、営業クレームにつながるでしょう。
営業クレームの内容が対応する本人のミスではないこともあるのがつらいところです。
しかし、お客様としては自社を信頼して商品やサービスを購入したわけですので、自社の代表として誠意ある態度を見せる必要があります。
お客様のミス
たまにあるのが、詳しくお客様の話を聞いていくと自社に落ち度はなく、お客様の勘違いによって営業クレームが発生しているというケースです。
お客様自身も嫌がらせで営業クレームを主張しているわけではありません。
勘違いは誰でもするものですので、お客様をこれ以上怒らせないように配慮しながら、冷静に正す必要があります。
たとえば、お客様が日にちを勘違いしており、明日中に送ると伝えていた資料がまだ届かないとお叱りを受けることもあるかもしれません。
ほかにも、お客様が商品購入の際の注意点として記載していた事項をよく確認しておらずトラブルが起こるケースも考えられます。
こういった場合、自社に落ち度がないことを伝えましょう。
ただし、伝え方次第ではお客様をさらに怒らせてしまうので、「大変申し訳ございませんが、ご確認いただきたいことがございまして」といった言葉を添えるようにしてください。
コミュニケーションのミス
自社とお客様とのあいだでコミュニケーションミスがあり、営業クレームが発生することもあります。
たとえば「急ぎで対応してください」といった期限が曖昧なコミュニケーションの仕方は、気を付けなければいけません。
急ぎは、3日以内なのか、それとも1週間以内なのかによって対応スピードが変わってくるためです。
基本的に、コミュニケーションにあいまいさを感じた際は自社のスタッフがよく確認する必要があります。「急いで対応させていただきます。今週中にご返信させていただく形で問題ございませんでしょうか?」といったように具体的に提示してください。
完成形のイメージのすり合わせをしておくのが大切です。お客様との関係性が深くても浅くても、コミュニケーションミスは発生するので注意する必要があります。
営業クレームを主張するお客様のタイプ
次に、営業クレームを主張するお客様のタイプを解説します。
主に3種類のお客様のタイプがいるので、理解しておくとよいでしょう。
感情的タイプ
営業クレームを主張するお客様の中には、非常に感情的になっている方もいます。
営業クレームに対応する営業や接客業従事者などはメンタルが落ち込みやすいですが、冷静に受け止めないといけません。
お客様は「損してしまったじゃないか!」「騙されたよ!」などといった表現を使うこともあるでしょう。ストレートに怒りや不快感を伝えてきます。
こういった営業クレーム対応は厳しいところもありますが、適切な対応をとることで自社のことを気に入ってくれることも少なくありません。
営業クレームに対する解決策によっては満足し、引き続き商品やサービスを購入してくれることもあるわけです。
理屈タイプ
理屈で自分の主張をされるお客様もいます。
物事を論理的に理解しているため、筋の通らないことは言ってこないことが多いです。
話がきちんと通じる相手であることがほとんどでしょう。
しかし、冷静なゆえ、営業クレームの対応次第ではドライに判断されることも少なくありません。
「そういうことなら今後の取引は控えさせていただきます」と突きつけられることもあるでしょう。
SNSや口コミへ書き込むタイプ
最近増えてきたのが、SNSや口コミに書き込むタイプのお客様です。
直接自社に営業クレームを主張するわけではないのですが、SNSに「○○のサービス対応が悪すぎました」といった内容を書き込むのです。
口コミを集めたサイトも増えてきており、お店紹介ページに星で評価をつけられることもあるでしょう。自社のよくない評判は蓄積されると、ブランドイメージが損なわれます。
SNSや口コミに悪い内容がコメントされていたら、「申し訳ございませんでした。すぐに対応させていただきます」と返信してもよいでしょう。
悪い口コミがたちまち拡散されることもあるので、気を付けたいところです。
営業クレームの対応方法
続いて、営業クレームの対応方法を解説します。
適切に対応することでお客様に満足していただき、コアなファンになってもらいましょう。
クレームの内容を確認する
まずは、営業クレームの内容をしっかり確認してください。
お客様の主張を適切に理解しないと、問題解決には至りません。
話し合いをするにしても、方向性が定まらないと、お客様のさらなる怒りや不快感を募らせるだけです。
きちんと謝罪する
営業クレームの内容を把握したら、きちんと謝罪しましょう。
この際、言い訳しないように気を付けてください。
たとえ営業クレームの発生理由がお客様の勘違いであっても、自社に非がないという姿勢をあからさまにしてしまうと、反感を買うでしょう。
「大変申し訳ございません。詳細を確認してまいりますので、少々お時間をいただいてもよろしいでしょうか?」という一言を添えるのは有効です。
事実とお客様の主張を区別して理解する
営業クレームに対応する際は、事実とお客様の主張を区別して理解してください。
お客様自身も事実と自分の考えを区別できていないことがあるので、よく注意して話を聞いてください。
たとえば、現時点で資料が届いていないとします。資料が届いていないのは事実です。
お客様の主張としては、資料が届いていないのは営業のせいだというものだったとします。
たしかに資料は届いていませんが、もしかすると資料が届く予定日をお客様が勘違いしているだけかもしれません。その場合、自社に責任はありません。
その事実をお客様に伝える必要があるわけです。
事実とお客様の主張を区別することで、状況を的確に判断できるでしょう。
このポイントは非常に重要ですので、よく覚えておいてください。
改善策を伝える
営業クレームを主張するお客様に納得してもらうためには、今後の改善策を伝える必要があります。
ときには営業クレームを受けたスタッフでは、判断しきれないこともあります。
その際は「社内で話し合いまして、明日までにご返信いたします」といったように伝えるとよいでしょう。
複雑なクレームは一人で抱え込まず、上司や先輩と相談してください。
お客様がさほど怒っていなくても、他のお客様も同じように不快に感じていたかもしれません。
改善はしっかりおこなうべきです。
今後はどのように対応するか伝える
その場に応じた改善策を伝えた後は、これからトラブルを未然に防ぐための対応策を説明するとより丁寧です。
「社内で話し合い、今後は確認メールを送らせていただくことになりましたので今後の連絡ミスは防げるかと思います」といった形です。自社をよりよい組織にする姿勢があることをお客様にアピールしましょう。
営業クレームばかりでも落ち込まないように
営業クレームを直接受け止めるスタッフには精神的な負荷がかかります。どうしても落ち込んでしまいますが、あまり気負わずに接するようにしましょう。
しかし、自社の落ち度の場合は素直に受け止め、改善していきましょう。営業クレームにサービス改善のヒントや新商品開発のヒントが隠されていることもあります。営業クレームは自社の宝だと思えるとさらに良いですね。