営業とマーケティングの違いとは?それぞれの役割から必要性を考える
営業とマーケティングは、企業の販売活動をおこなううえで大切な役割を担っています。
しかし、その詳しい役割や対象、目標、必要なスキルには違いがあることをご存じでしょうか。
本記事では、営業とマーケティングの役割や違い、お互いの関係性について解説します。
営業部やマーケティング部に配属されたばかりでよく理解できていない方や、今一度営業とマーケティングの違いをおさらいしたい方におすすめです。
目次[非表示]
- 1.営業とは?
- 1.1.事業の売り上げを確保する役割
- 1.2.お客様が対象
- 1.3.売買契約を結ぶのが目標
- 1.4.コミュニケーション能力が大切
- 2.マーケティングとは?
- 2.1.市場を創造する役割
- 2.2.市場が対象
- 2.3.市場やお客様との良好な関係づくりが目標
- 2.4.顧客思考が大切
- 3.営業とマーケティングの違い
- 3.1.売る行為と売れる仕組みづくり
- 4.営業とマーケティングはお互いに高め合える
- 5.営業とマーケティング双方の協力が必要
営業とは?
まず、営業の役割や対象、目標、必要なスキルについて解説します。
営業するなら知っておきたいことばかりですので、ぜひ参考にしてください。
事業の売り上げを確保する役割
営業の役割は、事業の売り上げを確保するというものです。
商品やサービスを売る行為そのもので、販売と呼ばれることもあります。
営業は、自社の商品やサービスをお客様にアピールして、最終的には購入してもらう役割を担っています。また、購入してもらった後のフォローをすることもあるでしょう。
適切にフォローすることにより、もう一度商品やサービスを購入してもらえることもあるためです。
お客様が対象
営業の対象はお客様です。営業活動には特定のお客様が存在します。
お客様の課題や不満などをヒアリングして、それらを解決できるような商品やサービスを紹介します。最終的にはお客様に商品やサービスを買ってもらうのがゴールです。
常にお客様を中心にして物事が進みます。営業はお客様ありきの活動だといえるでしょう。
売買契約を結ぶのが目標
営業の目標は、お客様と良好な関係を築き、信頼のうえで自社の商品やサービスを購入してもらうことです。
営業は毎月ノルマを設定していることが多いでしょう。
お客様と売買契約を結び、売り上げをあげる必要があるのです。
商品やサービスの種類によっても異なりますが、比較的短期的な視野で物事を捉えて、
自社の売り上げに貢献することに注力することが多いでしょう。
コミュニケーション能力が大切
営業に求められるスキルは、コミュニケーション能力やお客様第一志向、自己管理能力などです。
コミュニケーションは一方的なものではなく、お客様優先で進めていかなければいけません。
そのため、唐突に自社の商品やサービスを紹介するのではなく、お客様が抱える課題や不満、
要望などをヒアリングするところから始める必要があります。
さらに、営業はマーケティング部や商品開発部などと連携しなければいけないことも多くあるので、コミュニケーション能力は必須スキルだといえるでしょう。
また、定期的に課せられるノルマを達成するための自己管理能力も欠かせません。
お客様と良好な関係を築けなかった場合、その原因を追究し、問題を解決する必要があります。
目標管理や時間管理など、自分でマネジメントしなければいけないことは多くあります。
マーケティングとは?
一方、マーケティングとはどういったものなのでしょうか。
マーケティングの役割や対象、目標、求められるスキルを解説します。
市場を創造する役割
マーケティングの役割は、市場の創造です。
具体的には、ブランディングや商品やサービスの開発・企画・設計、調査、分析、広告宣伝、
販売ルートの確保、価格設定、集客、お客様情報の管理などが当てはまります。
マーケティング業務をおこなう際にとりかかるべき4つの領域すべてに対応することになるでしょう。なお、4つの領域とは以下のことを指します。
製品(Product)
流通(Place)
広告や宣伝、コミュニケーション(Promotion)
価格(Price)
頭文字をとって「マーケティングの4P」と呼ばれることもあります。
市場が対象
マーケティングの対象は市場です。対象をお客様とする営業との大きな違いだといえます。
マーケティングでは、市場をセグメーションすることにより構造化やモデル化をすることが多いです。そして、ターゲットを選定し、そのターゲットに響くプロモーションをします。
ときには、ターゲットが持つ潜在的なニーズを掘り起こすことから始めることもあるでしょう。
市場やお客様との良好な関係づくりが目標
マーケティングの目標は、市場やお客様との良好な関係づくりです。
長期間にわたって良好な関係を築けると、自社のファンになってくれるでしょう。
継続的な商品やサービスの購入に留まらず、良い口コミの拡散に協力してくれるかもしれません。
このようなお客様が増えればブランド価値が向上していきます。好循環を生み出せれば、自社の売り上げが安定するでしょう。
顧客思考が大切
マーケティングで求められるスキルは、顧客思考や新しい仮説を創造する力、経営者視点などです。
営業と同様にお客様優先で物事を進めなければいけません。
ただし、直接お客様とコミュニケーションをとるわけではなく、市場がどのようなものを欲しているか全体像をキャッチする能力が求められます。
お客様が商品やサービスを購入するまでの経路はより複雑になっていますが、的確にかつ論理的に分析し、次の戦略を立てなければいけません。
また、お客様が過去にとった行動を分析して、このようにアプローチすれば売り上げが増えるのではないかと仮説を立てるスキルも求められます。
市場動向をしっかりキャッチする必要があるでしょう。
そして、経営者視点を持ち、社会における自社の位置づけを俯瞰してみる必要もあります。
客観的に物事を見極めなくてはいけません。
営業とマーケティングの違い
一通り説明したところで、営業とマーケティングの違いを解説します。
売る行為と売れる仕組みづくり
営業とマーケティングの大きな違いは、売る行為そのものと売れる仕組みづくりという点です。
営業は短期的な目標になることが多く、売買契約を結ぶ行為そのものに重点を置きます。
月単位で結果を判断することも少なくありません。
個人あるいはチームで毎月目標を立てて、達成できたか管理することが多いです。
一方、マーケティングは商品やサービスが売れる仕組みづくりに重点を置きます。
取り組むべきことが多く、長期的に関わる傾向が強いです。
数ヶ月後にしか結果がわからないことも少なくありません。
なお、営業戦略とマーケティング戦略の違いについては以下の記事をご参考ください。
営業とマーケティングはお互いに高め合える
営業とマーケティングの考え方には違いがありますが、企業の販売活動をおこなううえで重要な役割であるということは共通しています。
営業とマーケティングは、関係性が深く、お互いに高め合えるわけです。
ITを駆使したログ解析や顧客分析の必要性
営業とマーケティングがお互いに高め合うためには、ITを駆使する必要があるでしょう。
ログ解析や顧客分析を進めていくと、お客様が求めているものや販売経路などが明確になります。
たとえば、マーケティング部が顧客分析により具体的にターゲティングしたリストを営業部に渡すとより効率的な営業活動をおこなえるかもしれません。
そうすれば、営業トークはより研ぎ澄まされたものになるでしょう。
さらに、営業の結果をもとに市場の構造化やターゲット像のモデル化をより具体的に描くことができ、より的確なマーケティング戦略を構築できるでしょう。
双方の協力があって、自社のブランド価値創造や継続的な売り上げ向上などが達成できるわけです。このように、自社内で営業部とマーケティング部は上手く連携する必要があります。
営業とマーケティング双方の協力が必要
営業とマーケティングは似て非なるものですが、どちらも自社の商品やサービスを売るために必要不可欠なものです。
それぞれの役割を理解したうえで、顧客情報やログなどを活用した分析を上手く取り入れながら協力していく必要があるでしょう。