営業の3C分析とは?事例や営業を成功させる5つのプロセスを解説
人の購買意欲を高めるのは大変なこと。
そのため、ユーザーの購入意欲を高めるために営業方法の検討やマーケティング分析で
苦労している方は少なくありません。
営業方法やマーケティング分析で苦労したときは、分析によく使われているフレームワークを活用してみてもよいでしょう。
これまでフレームワークを使ったことがない方にもおすすめなものに3C分析があります。
そこで今回は、3C分析の概要や事例、営業を成功させるための5つのプロセスを解説してみます。
営業方法やマーケティング分析を見直したい方におすすめの内容です。
目次[非表示]
- 1.営業の3C分析とは
- 1.1.Customer (市場・顧客)
- 1.2.Competitor(競合)
- 1.3.Company(自社)
- 2.営業の3C分析の活用事例
- 3.営業を成功させる5つのプロセス
- 3.1.3C分析をもとに営業成功への仮説を立てる
- 3.2.最初の5分で顧客の信頼を勝ち取る
- 3.3.5W2Hを活用して立てた仮説を検証する
- 3.4.顧客の要望を実現する方法を提示する
- 3.5.恐れずクロージングする
- 4.営業成功のために3C分析を実践しよう
営業の3C分析とは
営業の3C分析とは、「Customer (市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の頭文字をとったもの。それぞれについて詳しく解説します。
Customer (市場・顧客)
3C分析では、「Customer (市場・顧客)」の分析から始めます。
営業方法の戦略を練ったり、マーケティング分析したりするにしてもまずは相手のことを知らないといけません。
具体的には、市場の規模と成長性や顧客ニーズなどを汲み取ります。
この際は、マクロ分析とミクロ分析の2つをおこないましょう。
マクロ分析は、より大きな枠組みで外部環境を捉えるもの。
その外部環境を明らかにするときは「PEST分析」を用いるとよいでしょう。
PEST分析とは、以下の頭文字をとったもの。
- Politics(政治)
- Economy(経済)
- Society(社会)
- Technology(技術)
政治動向や景気、消費者志向の変化、技術革新などを考慮する必要があります。
一方、ミクロ分析はより小さな枠組みで考えていきます。
たとえば、新規参入企業の脅威や代替品の脅威、売り手・買い手の交渉力などを分析します。
Competitor(競合)
次に、おこなうのが競合の調査です。
注目すべきなのは、競合他社の人気商品や売り上げシェア、顧客数などの結果だけではありません。
競合他社の営業プロセスや仕入れルート、商品開発手法など、結果を招いた要因についても注目したいところ。
競合他社を分析した結果、自社よりも優れているところがあれば、自社に取り入れられないか検討してみてもよいでしょう。
Company(自社)
最後は、自社に関する分析です。
「Customer (市場・顧客)」と「Competitor(競合)」の分析結果も反映させつつ、自社についての理解を深めます。
この際によく使われるフレームワークが、「SWOT分析」と「クロスSWOT分析」です。SWOT分析とは、以下の頭文字をとったもの。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
これら4つの観点から内的環境と外的環境に分けてプラス要素とマイナス要素を明らかにします。
一方、クロスSWOT分析とは、SWOT分析で出てきたプラス要素とマイナス要素を掛け合わせて、具体的な戦略に落とし込むものです。
たとえば、強みと機会が合わさるところは、絶好のチャンスが訪れたときに自社の強みを存分に生せるに重要な戦略ポイントだといえます。
また、弱みと脅威が重なるところは、最悪の結果を招かないようにあらかじめ対策をとっておく必要のあるポイントです。リスク管理や弱みの解決などを図りたいところ。
営業の3C分析の活用事例
続いて、3C分析の活用事例を紹介します。
飲食店
飲食店では「少し料金が高くてもおいしい和食が食べたい」「落ち着ける空間でくつろぎたい」などといった顧客ニーズを明らかにするところから始めます。
次に、競合になるお店を考えます。
個人店もチェーン店も当てはまるでしょう。
この際、競合と差別化できる点について考えてみてください。
産地にこだわった食材や料理に合うお酒の豊富さ、内装の高級感などが挙げられます。
そして、自分のお店の強み・弱みを分析します。
たとえば、高級感のある内装は一見プラス要素のみに捉えがちですが、写真を投稿してネット上でアピールすると、1回も入店したことがない方にとっては気軽に入りにくい雰囲気が出てしまうかもしれません。
しかし「少し料金が高くてもおいしい和食が食べたい」という顧客ニーズを狙っているので高級感は失いたくないところ。
そこで、安易にハードルを下げて大衆受けを目指すのではなく、お手頃なランチメニューを提示することで弱みを解決するのが適しているといえます。
法人
また、法人でも「Customer (市場・顧客)」「Competitor(競合)「Company(自社)」の観点に沿って分析していくとよいでしょう。
たとえば、アパレル法人なら、年齢によって求めるファッションに大きな違いがあるとわかったら、その点に注目しつつ競合他社を分析してみてください。
もしかすると、競合他社は特定ジャンルに力を入れていたり、統一されたブランドイメージを大切にしたりしているかもしれません。
そこで、自社の強みを生かしたり、弱みを緩和させたりする取り組みをおこなうとよいでしょう。
たとえば、すでに複数のブランドを扱っているようなら、そのブランド数を増やして、より幅広い年齢層をターゲットにするのもよいかもしれません。
営業を成功させる5つのプロセス
最後に、3C分析を取り入れた営業を成功させる5つのプロセスについて解説します。
3C分析をもとに営業成功への仮説を立てる
1ステップ目は、営業の事前準備です。
営業の成功可否は、準備で8割が決まるといっても過言ではありません。
3C分析の結果を反映させて、営業を成功させるための仮説を立てましょう。
最初の5分で顧客の信頼を勝ち取る
次に、最初の5分で顧客の信頼を勝ち取るようなアプローチ方法を考えます。
人間は、視覚や聴覚といった非言語情報から判断することも少なくありません。
第一印象をよくすることで、断られる確率を下げられます。
5W2Hを活用して立てた仮説を検証する
また、5W2Hを活用して立てた仮説を検証していきましょう。
なお、5W2Hとは、以下のことです。
- Who(だれ)
- What(なに)
- When(いつ)
- Where(どこ)
- Why(なぜ)
- How to(どのように)
- How much(いくら)
顧客からヒアリングをおこない、事実を固めて、仮説を検証していきます。
顧客の要望を実現する方法を提示する
そして、顧客の要望を実現し、悩みや課題を解消する具体的な方法を提示します。
顧客にとって理解しやすい話し方を意識するのが大切です。
顧客に疑問や不安が残っているようなら、随時解決してあげましょう。
恐れずクロージングする
最後のステップは、決断への後押しです。
ベストなのは、その場で買ったり契約したりしてもらうこと。
もし、うまくクロージングできなくても、「何を誰といつまでに検討するのか?」という点を決めておいてください。
営業の原理原則について詳しく知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
営業成功のために3C分析を実践しよう
営業やマーケティング分析には、3C分析が欠かせません。
3C分析を怠ると、そもそも顧客ニーズのない商品を開発してしまったり、すでに競合他社が似た商品を販売していたため、売れ行きが伸びなかったりしてしまうこともあります。
反対にいうと、3C分析をしっかりおこなうことで、伸び悩んでいた営業成績がアップすることもあるでしょう。
この記事で解説したことを参考にし、営業やマーケティングの在り方を見直してみてください。