営業未経験の転職におすすめの業界とは?志望動機のポイントも解説
転職を検討する場合に、これまでの仕事とは別の職種にチャレンジしてみたいと考える方もたくさんいることでしょう。
特に第二新卒などの若いうちの転職は、そういう傾向が強いかもしれません。
しかし実際問題として、異業種や異業界へ転職するのは簡単ではありません。
なぜなら、企業が中途採用で人材を募集する場合に最も重要視されるのは「即戦力かどうか」なので、専門的なスキルや経験が必要な場合もあるからです。
しかしそんな事情の中で「営業」という職種は少々事情が異なります。
他の業種と比較すると、未経験でも転職できる可能性が高いといわれています。
今回の記事では未経験から営業としての転職を考えている方に向けて、おすすめの業界や、選考で重要になる志望動機のポイントについて解説していきましょう。
目次[非表示]
- 1.転職志望者なら知っておくべき2種類の営業
- 1.1.企業から消費者へ:BtoC営業
- 1.2.企業から企業へ:BtoB営業
- 2.営業未経験からの転職がおすすめな理由と利点
- 2.1.人材の流動性が高い
- 2.2.専門知識は入社後に身につける
- 2.3.未経験者が営業に転職する利点
- 2.3.1.【結果を出せば報酬に反映される】
- 2.3.2.【ビジネスの基礎の枠組みが学べる】
- 2.3.3.【時間や行動の自由度がある】
- 2.3.4.【自走する力がつく】
- 3.営業未経験の転職でおすすめの求人
- 3.1.需要が今後も増え続けるIT・Web業界
- 3.2.顧客対象が潤沢なメディア・人材業界
- 3.3.無形商材の代表格である保険業界
- 3.4.資格取得支援が充実している不動産業界
- 4.営業未経験の転職での志望動機のポイント
- 4.1.結論から述べる
- 4.2.根拠を示す
- 4.3.裏付けを盛り込む
- 4.4.決意を応募先の発展と紐づける
- 5.未経験でもできる営業に転職を検討しよう
転職志望者なら知っておくべき2種類の営業
まずは、営業への転職を考えるなら知っておきたい2種類の営業について、詳しく触れておきましょう。
企業から消費者へ:BtoC営業
「Business to Consumer」の略であるBtoCは、個人である一般消費者に商品やサービスを販売する営業です。
多岐にわたる分野の企業がありますが、共通しているのは消費者との接点として小売部門かサービス部門があることです。
ちなみに従来はBtoCを手がけていなかった企業でも、近年では市場が行き詰まってきてチャネルを拡大するためにBtoCに参入しているところが、大手を中心に増えています。
たとえばファッション関係のアパレルや小物のメーカーでは従来、百貨店や専門店に商品を卸すBtoBが基本でしたが、近年では直営店やネット通販で直接消費者に販売するビジネスモデルが普及してきました。
企業から企業へ:BtoB営業
「Business to Business」の略であるBtoBは、企業から企業に製品やサービスを販売する営業で、法人営業とも呼ばれます。
代表的な分野は「ITシステム」「コンサルティング」「人材派遣」「素材開発」「イベント代行」「広告代理」などです。
企業に提供する商材を扱うので、個人消費者とは異なり、全般的に単価が高くなります。
数万円は当たり前で数十〜数百万円、場合によっては数千万〜億単位を超える取引も珍しくありません。
当然ながら費用対効果がシビアに問われることになり、簡単に販売できるものではなく、営業の難易度は高くなります。
また、BtoBの営業では新規開拓営業とルート営業の2種類があります。
これらの必要なスキルは異なるため、同じ人材が両方を担当することはあまりなく、どちらかを専門とするのが一般的です。
ほかにもBtoBでは購入や契約の決裁権を持つ人は、窓口担当者とは異なる場合が多く見られます。
営業未経験からの転職がおすすめな理由と利点
未経験からの営業への転職は、おすすめできる転職のパターンといえます。
その理由と利点について目を向けてみましょう。
人材の流動性が高い
一般的に営業の求人は常に多いといわれていますが、これには大きく2つの理由があります。
第一にどのような企業にも必要な部門であり、第二に離職率が高く入れ替わりが頻繁に起こる職種だからです。
常に人材を求めている企業があり、その数だけ他の企業に移る人もいて、人材の流動性が高い職種といえるでしょう。
専門知識は入社後に身につける
営業が扱う商材は個々の企業で千差万別です。
つまり、商材の知識として共通するものなどあまりありません。
営業に関する知見は現場で身につけるものであり、商材の専門知識も入社してから身につけることが多いので、あらかじめ深く研鑽する必要はないといえます。
そのため、特にスキルや専門知識の準備をしなくてもチャレンジしやすいのです。
未経験者が営業に転職する利点
未経験の方が営業に転職する場合、以下のような利点が挙げられます。
●結果を出せば報酬に反映される
●ビジネスの基礎の枠組みが学べる
●時間や行動の自由度がある
●自走する力がつく
それぞれを詳しく見ていきましょう。
【結果を出せば報酬に反映される】
評価基準がはっきりしている営業職は、個人目標が決まっているので達成度がそのまま評価につながります。
目標を達成すれば、あまり細かいことをいわれることなく適正な評価を受けられます。
個人目標がきついと感じる方も多いですが、むしろ確固たる評価基準があるからこそ成果は報酬に反映されると考えるべきでしょう。
【ビジネスの基礎の枠組みが学べる】
営業活動を行なうためには商材の知識やその分野について、学ばなければなりません。
商材を理解するほど、どういう顧客層に向けて、どんなコンセプトで作られたのかを把握できるようになります。
また、顧客の反応を確認することで、今後のサービス改善にも関わることができます。
要するに企業と顧客の間で情報や商材の橋渡しをする営業の実践を通して、ビジネスの基本を実践的に学べるのです。
起業家には営業出身が多いといわれますが、それはビジネスの基本が身についているという理由が大きいでしょう。
いつか自分でビジネスを興したいと考えている方は、営業の経験が役に立つでしょう。
【時間や行動の自由度がある】
営業は大変な面もありますが、行動の自由度は増え裁量の範囲は広がります。
自分のペースでアポイントを入れてスケジュールを決めることが可能なのです。
そして顧客に対して自分が良いと思えるアプローチを行なえます。
数字の責任が重いだけに、その分自由度が高い職種でもあるといえるでしょう。
【自走する力がつく】
営業は自己完結する仕事といえます。
誰にどのようにセールスをかけるかは自分で決められ、分野によっては最終価格の決定まで任せられます。
仕事の幅が広く、自分でいろいろなことを決めたり試したりすることが可能です。
いわれたことだけをやるのとは違い、自分で考え行動できる「自走する力」を養える仕事といえるでしょう。
営業未経験の転職でおすすめの求人
営業未経験の方におすすめの求人を、業界を軸に紹介します。
需要が今後も増え続けるIT・Web業界
現代人にとって欠かすことができない「IT」や「インターネット」は、今後ますます生活に浸透していくのは確実です。
IT・Web業界は今後の成長産業の最右翼ともいえる分野でもあり、技術職に関しては完全なる売り手市場になっています。
しかしIT関連の需要が拡大するということは、それだけ営業も必要になるということで、技術職ほどではないにせよ営業の人材も求められています。
ITの基礎知識があればもちろん有利ですが、入ってから仕事と同時進行で学ぶこともできるので、未経験での転職も可能です。
顧客対象が潤沢なメディア・人材業界
人材業界やメディア業界の営業は無形商材を扱います。
顧客は法人がメインのBtoB営業で、新規営業もルート営業もあります。
企業にとって広告や求人はなくてはならない要素なので、あらゆる企業が対象となるビジネスです。
未経験者歓迎となっている求人が多く、扱う内容は専門性がそれほど高くなく、仕事を覚えやすいところもおすすめできます。
無形商材の代表格である保険業界
保険業界が扱うのはすべて無形商材です。
営業スタイルは新規営業もルート営業もあります。
この業界では、今後の競争の激化に向けて代理店販売が強化されています。
そのため、代理店営業や代理店支援部門の人材需要が増えてきており、未経験者を育成して対応しようという動きが盛んになっています。
資格取得支援が充実している不動産業界
不動産業界は土地や建物という有形商材を扱い、顧客は個人と法人の両方が対象になります。
BtoCは住居となる物件の仲介や売買、BtoBは事務所や倉庫などの物件の仲介や売買が中心です。
戸建てやマンションなどの住み替え需要がコンスタントにあるため、不動産売買および賃貸の仲介の営業職の求人は多くなっています。
また、リフォームやリノベーション市場も近年拡大を続けており、リフォーム・リノベーション営業の人材需要も増加傾向にあります。
入社後に研修や宅建資格の取得支援体制が充実している企業も多く、未経験者でも転職しやすい業界です。
営業未経験の転職での志望動機のポイント
営業未経験からの転職では、過去のキャリアや現在のスキルはそれほど問われません。
大事なのはポテンシャルと入社意欲といえます。
それを端的に表すのは選考面接において尋ねられる志望動機です。
効果的な志望動機の受け答えのポイントを解説します。
結論から述べる
志望動機の第1段階では、明快な結論から入りましょう。
人は結論を提示されると話の行き先が明確になって理解しやすくなります。
理解しやすいからこそ、準備した内容が共感を得やすくなります。
まず結論部分である「志望動機そのもの」を凝縮してひとことで語りましょう。
細かい部分はその後に補足する形で大丈夫です。
例)
「私は今後欠かせないサービスである〇〇〇〇を
積極的に展開する御社の募集を知り、
ぜひ私も携わりたいと応募いたしました」
根拠を示す
第2段階は冒頭の結論の根拠を示す段階です。
つまり志望する背景にあるものを明らかにしましょう。
例)
「現職の〇〇〇〇部門が御社の〇〇〇を活用しております。
私はその品質の高さと独創性に感銘を受けており、
きっと素晴らしい企業なのだろうと考えていました」
裏付けを盛り込む
次に根拠の信ぴょう性を高める裏付けを盛り込みましょう。
例)
「現職の競合である他社が御社とは違う企業の〇〇〇を
活用していることを 知るにあたり、市場優位性で
現職の〇〇〇〇部門が 圧倒的に上回っていることを
現場で痛感しており、御社の企業力をあらためて感じました」
決意を応募先の発展と紐づける
最後は決意表明で締めくくるのがおすすめですが、その決意と応募先の発展を紐づけて言葉にすることで、強い入社意欲が表現できます。
例)
「私は営業未経験ではありますが、企業力の高さを感じる御社の商材に関する知識と
営業ノウハウを徹底的に学んでいき、必ず販売部門を飛躍的に発展させる人材の
ひとりとなるために、謹んで応募させていただきます」
また、営業に対する学びの姿勢やキャリアアップの意気込みを
志望動機に盛り込みたい場合には、以下の記事も参考にしてください。
未経験でもできる営業に転職を検討しよう
未経験でも転職できる可能性が比較的高い営業について、おすすめの業界や選考で重要になる志望動機のポイントについて解説しました。
ここで紹介したように、営業は未経験でも取り組みやすい面があるので、特に専門スキルはないが転職を考えているなら、一度営業への転職を検討してみてはいかがでしょうか。