代理店営業とは?新規開拓、行動管理、サポートを効率化するために
自社の営業を促進させるために、自社のほかに外部リソースを検討する場合もあります。
代理店はまさに、その手段のひとつです。
今回は、代理店営業の業務や管理方法など、代理店営業を進めていく上で必要なことを解説していきます。
目次[非表示]
- 1.代理店とは
- 1.1.直販との違い
- 2.代理店営業の主な業務
- 2.1.代理店の新規開拓
- 2.2.代理店の管理・サポート
- 3.代理店活用のメリット
- 3.1.営業コストの削減
- 3.2.営業リソース不足を解消
- 3.3.販路拡大スピードが上がる
- 4.代理店活用での課題
- 4.1.代理店の行動管理ができない
- 4.2.サポートに手が回らない
- 4.3.代理店の営業力が一律でない
- 5.代理店活用を効率化するには?
- 5.1.マネジメント体制を強化する
- 5.2.営業しやすい仕組みづくりをする
- 5.3.研修機会を設ける
- 6.代理店側のメリットも考えよう
代理店とは
自社商品・サービスの販売を自社の営業が行うのではなく、代理店に営業活動を委託する営業方法のことです。
販売を代理店に任せているので、コストをかけることなく営業活動に取り組めます。
また、代理店活用で代表的な業種例は、保険、通信回線、携帯電話などで広く活用されています。
ほとんどの代理店自体は、複数の企業と契約し、各製品を代理店の名前で販売していきます。
なので、自社製品と親和性が高い他社製品を取り扱っている代理店や、既存顧客が多い代理店ほどアップセルやクロスセルで自社サービスの提案してもらいやすいということです。
直販との違い
代理店と直販では、自社開発した商品・サービスを「だれが、どこで」売るかの違いがあります。
直販の場合、自社営業と顧客が直接コミュニケーションを取ります。
一方、代理店の場合、代理店営業が販売するため、顧客とのコミュニケーションも代理店に任せることになります。
また、これは契約によって異なりますが、オンボーディングやカスタマーサクセスといった部分もすべて代理店が担うケースもあります。
代理店営業の主な業務
パートナー契約を締結した代理店とやり取りをするために、代理店営業・パートナーセールスといった自社で役割を担うポジションが必要です。
自社で置いた代理店営業の主な業務は「新規開拓」と「管理・サポート」です。
代理店の新規開拓
代理店の新規開拓は、自社商品・サービスを各地域へ拡大するためには欠かせません。
代理店が多ければ多いほど、自社の商品・サービスが顧客の目に留まる機会が増えるため、購入に繋がる可能性も高まります。
直販では、ターゲットとなる企業に対し様々な手法でアプローチを行いますが、代理店の新規開拓営業においても、親和性の高い商品やサービスを扱っているなど、積極的に代理販売を行ってもらえる企業へアプローチしていくと効率的です。
代理店の管理・サポート
代理店の売上を管理し、必要があればサポートを行います。
営業活動を代理店に任せることができる一方で、代理店がどのように、どれだけ行動しているか見えない部分もあります。
代理店であってもなくても、獲得目標はありますよね。
そのため、代理店販売での売上がどのくらい見込めるかどうかを判断するためにも、代理店の行動を管理・サポートすることが重要です。
また、代理店ごとに比較し、売上率が伸びていない代理店を見つけてサポートすることも大事な仕事です。
代理店活用のメリット
代理店活用をすることで、各地に自社商品・サービスを拡販できることが一番のメリットです。
他にも、代理店活用には様々なメリットがあります。
営業コストの削減
代理店活用をすることで営業コストの削減に繋がります。
全国各地へ営業しようと思うと、営業の人数を増やしたり、出張に出たりしなければなりません。
営業人件費や出張費が掛かるだけでなく、採用や管理の工数も必要です。
そこで、代理店に販売手数料(中間マージン)や成功報酬を支払う契約のもと、直販営業で掛かるコストを捻出せずとも、各エリアへ同様の営業活動を行うことができます。
また、 金銭的なコストだけでなく、商談をはじめとする顧客とのコミュニケーションが必要ないため、時間的な面でもコスト削減することができます。
営業リソース不足を解消
代理店を活用することで営業リソースの不足を解消できます。
もし自社の営業が不足していた場合は、どうしても顧客に優先順位を付けなければなりません。
つまり、全てを対応するとなると、人手が足りないぶん一人当たりにかかる仕事量・負荷が多くなってしまいがちです。
そこで代理店を活用することで、自社営業が動かずとも売上を上げることができるため、営業リソースの解消に繋がります。
リソース不足が解消されることで、自社営業は本来やるべきことや注力したいコア業務に集中できるようになります。
販路拡大スピードが上がる
顧客を増やすためには、新たな販路を開拓しなければなりません。
その場合も代理店を活用することで、販路拡大スピードを大幅に上げることができます。
例え新たなサービスを開発しても、販売先がなければサービスを広めることはできず、競合他社にシェアを奪われてしまう可能性も考えられます。
とはいえ、営業活動の中でも販路拡大は容易ではなく、短期間で解決できる問題ではありません。
そこで、すでに販路を確保している代理店を活用することで、スピーディにシェア拡大するだけでなく、広範囲にアプローチすることができます。
代理店活用での課題
しかしながら、代理店を活用する上で課題にぶつかる企業も多いようです。
どういった課題が多いかみていきましょう。
代理店の行動管理ができない
代理店の行動管理ができておらず、成果やノウハウがブラックボックス化してしまうことが課題に挙げられます。
代理店は自社とは分離した営業部隊と考え、目の届く範囲で管理することができない分、代理店営業独自の行動管理を行う必要があります。
しかし他の業務で手一杯だったり、顧客対応をしなければならなかったりなど、代理店をマネジメントする時間を作れていない、そもそもマネジメントが出来ないということが主な原因なようです。
管理を怠ると、代理店がうまく機能せず、本来見込んでいた売上を下回る可能性も考えられます。
サポートに手が回らない
代理店活用では、サポートに手が回らないことも課題の一つです。
先述した通り、業務過多が原因で代理店営業が機能しないことがほとんどです。
サポートについても同様で、直販営業に比べ代理店営業そのものが後回しになることから、代理店が機能しやすくなるサポートも怠ってしまいます。
代理店営業では、代理店開拓や管理に加え、代理店の営業担当と頻繁にコミュニケーションを取れるかどうかでその後の成果に繋がります。
代理店の営業力が一律でない
自社であれば、教育やノウハウ共有が容易であるため、営業一人ひとりのスキルを向上させる取り組みができます。
しかし、代理店向けに教育する権限はなく、各代理店ごとに営業マンのスキルにバラつきがあるため、営業力を統一することが難しいとされます。
代理店の開拓を続けていくと、徐々に商品・サービスが拡まり売上にも影響が出始めますが、実際は代理店の営業力にも差があるため、想定よりも効果を感じることができない場合もあります。
また、多くの代理店と契約することで、逆に管理すべき代理店が増え、売上は上がらないにも関わらず、管理コストが増えてしまうことも考えられます。
代理店営業を強化するには、そもそもの取引する代理店を選定していくことも重要です。
代理店活用を効率化するには?
では、代理店活用を効率化するためにはどういった工夫が必要なのでしょうか。
代理店を活用する上でのメリットはありますが、解決すべき課題も山積みです。
ここでは、代理店活用を効率化するためのポイントをご紹介していきます。
マネジメント体制を強化する
代理店営業を効率化するためには、マネジメント体制を強化する必要があります。
営業におけるマネジメントとは、目標の進捗管理や商談のフィードバック、案件ステータスの確認など、各営業メンバーの行動と併せて管理することです。成果に対する適切な評価もマネジメントに含まれます。
同様に、代理店営業においても代理店を営業メンバーに置き換えて考え、マネジメントしていく必要があります。
しかし、社内のマネジメントはできていても、代理店向けのマネジメント体制を作ることができていないケースがほとんどです。
そのため、誰がどのように管理するのか、管理する際に気を付けるべきことなどを洗い出し、改めて組織体制を整えることが大切です。
また、代理店ごとの特徴をとらえ、各社に合った管理方法を策定することも一つの方法です。
営業しやすい仕組みづくりをする
代理店営業を効率化するためには、売りやすい仕組みづくりが必要です。
代理店が、トラブルや営業不振に陥る理由には、「自社の営業担当者が商品・サービスの魅力を代理店の営業担当に伝えられていない」場合が考えられます。
それを解消するには、代理店の営業担当と適切なコミュニケーション・商品説明の時間を設けることが大切です。
代理店の営業担当が不適切な営業対応をしないためにも、「自社の商品・サービスの魅力はいったい何なのか?」を十分理解してもらうことで、お互いにメリットを感じる取り組みへ変えていくことができるでしょう。
研修機会を設ける
代理店の営業担当者との研修機会を設けることで営業ノウハウが蓄積され、どのような提案が顧客に響くのかを理解してもらうことができます。
自社の営業担当者と代理店の営業担当者の認識齟齬があると、本来売れるはずだった顧客に対しても適切なアプローチをすることができず、失注してしまう可能性も考えられます。
もちろん、本来代理店が展開しているサービスは自社とは異なるサービスであるため、認識齟齬が起きてしまうことは仕方ありません。
しかし、認識齟齬や営業力を責めるのではなく、「認識・営業力のズレを合わせていく作業」が大切です。
そのため、代理店との研修や提案のすり合わせの機会を設けることで、そのズレを解決することに目的を置きましょう。
代理店側のメリットも考えよう
代理店営業の業務内容やメリット・デメリットなどについてお伝えしました。
代理店は従来の直販と違って、コスト面や消費者側の選択肢の多さなどから多くのメリットがあります。
しかし、代理店営業を機能させるには、代理店側が販売しやすい、かつ販売したくなるような仕組みが必要と考えられます。
つまり、お互いにメリットが生まれる取引ができるよう工夫することが大切です。
ぜひ代理店をきちんと活用して、更なる事業成長に繋げてみてください。
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