【変化する営業手法】トレンドの傾向や注目される5つの手法をご紹介
これまでの営業手法といえば、テレアポや飛び込み営業が主流でした。
しかし、手あたり次第に営業をする方法は成功率が低く、効率も悪いため、企業によっては敬遠されるようになりました。
また、2020年の新型コロナウイルスの影響で対面での営業を避ける企業も増えています。
インターネットやスマートフォンが普及した現在では、デジタルを活用した営業がトレンドです。
デジタルを活用した営業とは、Web広告やセミナーを通じて自社のサービスを認知した顧客に対してアプローチを行う方法やWeb会議システムを利用した商談などが挙げられます。
直接顧客を訪問する必要がないため、交通費や人件費の削減が期待できること、さらに自社のサービスをすでに認知している顧客にアプローチするため、成約率も高くなります。
本記事では営業手法が変化した背景や、トレンドの営業手法をご紹介します。
目次[非表示]
- 1.営業手法の変化
- 1.1.インサイドセールスの台頭
- 2.営業手法が変化する背景
- 2.1.デジタル化
- 2.2.人手不足・働き方改革
- 2.3.BCP対策の観点
- 3.トレンド営業手法5選
- 3.1.メール営業
- 3.2.コンテンツマーケティング
- 3.3.アカウント営業
- 3.4.オンライン商談
- 3.5.プレスリリース営業
- 4.営業手法の特徴を抑えて選択しよう
営業手法の変化
テレアポや飛び込み営業など、顧客との接点がない状態からアプローチを始めるフィールドセールスは、アウトバウンドセールスの中でも労力やコストがかかる手法なので、マーケット状況やターゲットに合わせて選択していく手段です。
その中でも、効率の悪いフィールドセールスの多くは、成約につながるかどうかわからない顧客にやみくもにアプローチしていると見受けられます。
しかし、インターネットの普及により事前にオンライン上で顧客との接点を持ち、自社のサービスに興味を持ちそうな顧客にフォーカスする営業のインバウンド化が可能となり、新たな営業手法として注目されるようになりました。
その手法がインサイドセールスです。
インサイドセールスの台頭
インサイドセールスは、直接顧客にアプローチをする前にセミナーなどを開催し自社の商品やサービスに興味のある顧客を集め、そこから見込み客にアプローチしていく営業手法です。
セミナーなどへの参加意向があることは、自社のサービスに何らかの興味を持っていると捉えることができます。
そのため、全く自社のサービスを認知していない顧客にアプローチするよりも効率よく営業活動を進めることができ、結果として成約する可能性も高くなります。
2020年6月に株式会社インターパークが実施した調査によると、インサイドセールスを活用した企業の60%が商談までをインサイドセールスで実施していることがわかりました。
このように、インサイドセールスは日本でも取り入れられてきていることが分かりますが、顧客と直接会って話をすることに重きをおく企業がまだ多いことも事実です。
インサイドセールスのメリットは、従来の営業にかかっていた交通費や人件費の削減です。直接訪問の回数が減ることで、営業1人あたりが対応できる商談数が増えるため、結果として人件費削減になります。
一方でインサイドセールスのデメリットは、インフラ整備にコストがかかる点です。
他にもデジタルの活用によりアプローチできる顧客が増えるため、情報管理体制も徹底する必要があります。
デジタルの活用が進んでいない企業、例えば、情報管理を紙媒体で実施している、在宅勤務やリモートワークの活用が進んでいないような企業は、すぐにインサイドセールスを導入することが難しいかもしれません。
営業手法が変化する背景
前章で紹介した通り、従来のフィールドセールスからインサイドセールスへ、営業手法が変化しています。
この章では、その変化する背景を紹介していきます。
デジタル化
インターネットやスマートフォンの普及により、消費者は自分が必要とするサービスや商品を自ら調べ、他社からの口コミやユーザーレビューを見て比較検討してから購入するようになりました。
そのため、自社のWebサイトを訪問したユーザーや資料請求をしたユーザーにアプローチし、成約につなげる方法が有効です。
デジタルを活用した集客や顧客へのアプローチはマーケティングの知識も必要となるため、営業とマーケティングが連携して進めているケースもあります。
マーケティングチームが広告やセミナーで見込み客を集客し、そこから営業チームが見込み客にアプローチしていく体制をとる企業もあります。
営業チームにデジタルに強い人材がいない場合でも、マーケティングチームにデジタルに強い人材がいることで対応ができるため、人材をどのように配置、活用していくこともポイントです。
人手不足・働き方改革
従来のフィールドセールスでは、少なくともテレアポ担当と顧客の商談担当が必要となります。
そのため、十分な営業担当がいない企業の場合、1人あたりの負担が多くなっていました。
また、直接顧客を訪問する場合は、顧客の所在地によって1日に訪問できる数も変わるため、効率よく営業活動ができないこともあります。
しかし、デジタルを活用した営業手法では顧客の所在地に関係なく営業活動をすることができるため、1日の商談数を増やすことができます。
日本だけでなく、時差のある海外の顧客とも商談することが可能です。
営業がこれまで顧客訪問の移動に使っていた時間を商談資料の作成等に使えたり、移動による体の負担も軽減できたりなど、生産性を高めることができます。
残業時間の削減や在宅勤務の活用でワークライフバランス実現も可能となり、仕事のパフォーマンスが良くなることも期待できます。
BCP対策の観点
2020年新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、対面での商談が禁止となる企業が増えたこと、在宅・リモートワークが増えたことを受け、対面しないオンライン型営業が増えてきました。
オンライン型営業を確立することで、新型コロナウイルスだけではなく地震や災害、その他パンデミックのときでも、業務を停止する必要がなくなります。
企業として危機管理ができていることは顧客からの安心や信頼にもつながるため、その点でもデジタルを活用した営業手法が有効であるといえます。
トレンド営業手法5選
前章では営業手法が変化する背景について述べました。
この章では実際にトレンドとなっている営業手法を5つご紹介します。
メール営業
メール営業とは、顧客との最初の接点を電話ではなくメールで行う営業手法です。
文字で顧客にアプローチできるため、自社の商材を口頭で説明することが難しい場合に効果を発揮します。
テレアポの場合、担当者につないでもらえないこともありますが、メールの場合は直接本人に届くこともメリットです。
また、メール営業の場合は一度ひな形を作成することで何度も使い回しができ、一からメール文を作成する必要がないため効率が良いこともメリットです。
テレアポと違い、時間の制限もないため業務の合間にメールを送ることも可能です。
一方で、メールを開封してもらえないこと、アポイント獲得が難しいことがデメリットです。
メール営業の場合、アポイント獲得のためには相手から返信をするアクションが必要となるため、テレアポのようにその場でアポイントを獲得することが難しくなります。
しかし、メールの返信がきた場合は顧客がメールの内容を読み、ひと手間かかる返信をしてでも話を聞きたいと考えているため、成約につながる可能性が高いでしょう。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、顧客にとって有益なコンテンツを作成・配信し、それを見た顧客が自分のニーズに気づき、最終的に成約につなげる営業手法です。
例えば、単に商品カタログを顧客に送付するのではなく、商品を使用したイメージを掲載したライフスタイルマガジンを配信すること、訪問営業ではなく顧客に有益なセミナーを開催するということです。
コンテンツマーケティングの普及にはインターネットの普及が関係しています。
消費者はインターネットを通じて自分から必要な情報にアクセスが可能となりましたが、情報が溢れており、どの情報が自社にとって有益であるかを判断することが難しいことがあります。
よって、顧客が本当に必要とする情報を届けることが重要になってきました。
顧客のニーズに合うコンテンツを届けることで、自社の商品やサービスに興味を持ち、成約に至るだけでなく継続購入の可能性も高まります。
コンテンツマーケティングのメリットとしては以下が挙げられます。
・広告出稿よりもコストがかからない
・SNSを活用し拡散が可能で、興味を持った顧客がさらに拡散してくれる可能性がある
・電車広告や雑誌広告とは違い、配信する媒体とインターネットさえあればいつでもどこでも配信が可能
一方でコンテンツは継続的に配信し続ける必要があるため、コンテンツ作成や品質チェックの人員が必要であること、短期的には効果が出ないことがデメリットです。
アカウント営業
アカウント営業とは顧客ごとに営業担当を決め、その担当が顧客の事業内容や組織について深く理解し、顧客の課題をヒアリングし解決方法を提案する営業手法です。
従来の営業と異なる点は、顧客の課題を解決するために長期間にわたり接点を持つため、自社へのロイヤリティが高まり、自社の商品・サービスの利用を検討するようになるでしょう。
アカウント営業に必要なスキルは大きく分けて2つあります。
1つはコミュニケーション能力です。
アカウント営業は顧客が抱える課題を上手く聞き出す必要があります。
また、課題解決の方法や提案をわかりやすく顧客に伝える場面もあります。
さらに、顧客となる企業の様々な部署や役職から情報収集する必要もあるため、コミュニケーション能力は重要なスキルの1つです。
2つめは情報やデータを分析するスキルです。
顧客から集めた情報や、場合によっては競合や市場のデータを分析し、顧客の課題解決に活用することもあります。
顧客に提案する際、提案内容を裏付けるデータがあると説得力があり、顧客も提案を受け入れやすくなります。
よって、提案に必要なデータを分析するスキルも重要です。
アカウント営業は時間と労力がかかるイメージがありますが、高い成約単価が見込めること、アカウント営業を通じて得たスキルやノウハウを他の顧客の営業に活かせる点でメリットがあります。
オンライン商談
オンライン商談とは、Web会議システムなどを利用して進める非対面型の商談です。
海外に展開する企業では顧客との時差の関係で以前から導入されていましたが、最近では2020年に流行した新型コロナウイルスの影響により多くの企業で導入されています。
対面型の営業と異なり、時間や場所の制約がなく商談ができること、1日のうちに多くの顧客にアプローチできることが特徴です。
交通費や人件費の削減、営業マンの生産性向上につながることがメリットですが、システムの整備や構築のコストがかかること、まれに通信トラブルが起こること、在宅勤務の場合は家族へ配慮することに注意が必要です。
しかし、遠方や海外の顧客とも商談可能なこと、画面上で資料の共有も可能なことから対面型の営業よりも柔軟性がある点がメリットです。
プレスリリース営業
プレスリリースとは報道機関やPR媒体に向けて自社の情報提供や発表をすることです。
企業が新しいビジネスやサービスを開始したときにテレビやニュースサイトで目にします。
最近ではWeb配信を利用する企業や、自社が持つ媒体に対しリリース記事を配信する企業もあります。
プレスリリースを出す一般的な方法は、ニュースを取り上げて欲しいメディアの担当者宛てにメールやFAXで送付します。
プレスリリースで顧客に興味を持ってもらうためには、内容にストーリー性を持たせることが必要です。
例えば、商品やサービスの開発秘話や担当の思いなどが込められていると、メディアに取り上げられる可能性が高くなります。
営業手法の特徴を抑えて選択しよう
以上のように、営業手法は従来のテレアポや飛び込み営業などのフィールドセールスから、デジタルを活用したインサイドセールスに変化しています。
インサイドセールスは、顧客が自ら自社にアプローチしてくる仕組みのため、見込み客にアプローチができること、成約率が高いことなどが特徴です。
さらに、時間や場所の制約がなく、どこでも営業活動ができる点、働き方改革や営業の生産性を高めることができる点も魅力的です。
2020年の新型コロナウイルスのようなパンデミックでも、デジタルを活用した営業手法の導入により、ビジネスを持続させることが可能となり、顧客が安心して自社のサービスを利用することができるでしょう。
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