営業マネージャーがすべき仕事と役割、営業組織を束ねるために必要な3つの能力とは
企業の営業組織における営業マネージャーは、営業メンバーを取りまとめ、営業目標達成に向け、案件や売上を管理する役職です。
今回は、営業マネージャーの仕事や役割、身につけるべき能力を解説します。
また、営業マネージャーが抱えがちな悩みとその解決方法についてもご紹介していきます。
目次[非表示]
- 1.営業マネージャーの仕事
- 1.1.営業戦略の構築
- 1.2.営業案件の管理
- 1.3.営業の育成
- 1.4.施策のPDCAを回す
- 2.営業マネージャーの役割
- 3.営業マネージャーに必要な3つの能力
- 4.営業マネージャーのよくある悩み
- 4.1.営業戦略が頭打ち
- 4.2.行動管理に手が回らない
- 4.3.営業が育たない
- 5.営業マネジメントは会社と事業とメンバーのため
営業マネージャーの仕事
営業マネージャーの仕事は、営業組織やメンバーを統括することが主な仕事になります。
顧客対応はメンバーに任せ、営業戦略が計画通りに進んでいるかを管理し、時にはメンバーの行動管理を行うことも営業マネージャーの仕事の一つです。
営業メンバーが存分に実力を発揮し、売上目標を達成できるようにするために、大きく分けて4つの仕事をすることになります。以下で詳しく解説していきます。
営業戦略の構築
どれだけ優秀なスポーツ選手を集めてチームを作ったとしても、そのチームが試合で勝利を収められるかどうかは監督の立案する作戦次第です。
同様に、営業マネージャーが質の高い営業戦略を立てられれば、営業がより成果を上げることができます。
企業の目的・目標、商材の特性、顧客のニーズ、活用できる人材と予算、競合他社など、あらゆる要素をもとに、市場でシェアを拡大するためには、どのようなプロセスを踏み、どのような施策を実行すべきか、計画に落とし込むことが営業マネージャーの仕事です。
また、成約までの仮説立てを行い、データに基づいた成約ファネルを可視化することも重要です。
営業案件の管理
営業先を割り振り、営業が行う個々の営業活動の予定・実績を把握し管理するのも営業マネージャーの仕事です。
営業と共に数値目標を設定し、決定事項ができているかを確認することで、営業活動が順調かどうかを判断できます。
営業活動が不調であれば、営業活動の妨げになっているものを営業からの聞き取りやデータより割り出し、課題解決のための打ち手を考える必要があります。
また、営業によって顧客の現状やニーズについて判明したことがあれば、データとして記録し、他の営業活動に役立てられるようにすることが大切です。
細かいタスクを管理することでより正確な管理をすることができますが、確認することが多すぎると営業マネージャーがやるべきことも増えるため注意しましょう。
メンバーに自己管理させる部分、チームを細かく分け管理者を立てるなど、工夫をして本末転倒にならないようにできると一番いいですね。
営業の育成
すべての営業に必要な知識やスキルを身につけさせ、経験を積ませ、営業成績を上げるのも営業マネージャーの仕事です。
営業手法は独学で習得させるものではありません。
営業組織のマネージャーとして目指すべき、営業全員が安定した成果を上げられる状態を実現するには、体系的な教育や研修が欠かせません。
営業プロセスを可視化し標準化することで、営業全員がどのように営業活動をすればいいのか理解できます。
営業の各プロセスで何をするのか、何に留意すべきかをチェックリストにしてまとめておいたり、マニュアルを作成しておいたりなど、教育方法を工夫することで早期の成長に繋がります。
施策のPDCAを回す
営業施策における、評価や改善、報告なども営業マネージャーの仕事の一つです。
施策内容を計画し、実行した後は、結果を評価し、良かった点・悪かった点をもとに改善策を立てます。
これを繰り返し行い、営業施策を最適化することで、今後の成果によい影響を与えます。
また、現状の施策が必ずしも最適とは限らず、新たな施策を検討しなければならない場合もあります。
組織として成果を出し続けるためには、同じ方法をただ継続するのではなく、改善を積み重ねることが求められています。
営業マネージャーの役割
営業マネージャーの役割は、営業組織全体を管理し活性化させることです。
企業の理念や経営目標を実現するためには営業組織が欠かせません。営業マネージャーは、その営業組織全体が十全に力を発揮できるよう環境を整えなければなりません。
営業の成果が売上に直結し、売上が上がれば会社が成長するため、営業のリソースコントロールやメンタルケアも重要です。
つまり、営業マネージャーは、営業部門の統括に留まらず、企業の根幹を担うといっても過言ではないほど重要な役割を持つともいえます。
営業マネージャーに必要な3つの能力
上記の仕事と役割をこなすため、営業マネージャーには3つの能力が求められます。どれも営業としてはあまり意識してこなかった能力かもしれません。
では、営業マネージャーになるために必要な能力をみていきます。
経営者視点
営業マネージャーには経営者視点から営業を考える能力が必要です。
経営者視点とは、全社的な立場から物事を考えるということです。先述したとおり、営業マネージャーは企業の中でも非常に重要な役割を担っております。
例えば、営業目標を与えられたとき、それをどのように達成するかのみを考えるのは経営者視点ではありません。
なぜその営業目標が設定されたのか、目標が達成できればどのような企業利益につながるのか、それが経営目標や企業理念とどのように結びつくのかを考えることも営業マネージャーには求められます。
経営者視点を持ち、日々の業務が何のためのものであるのか、何に帰結するのかを考えることで、それをどのような方法でこなせばいいかも広い視野で発案できます。
管理能力
営業マネージャーには、営業組織が成果を上げられるように人的リソース、案件、予算など、あらゆることを管理する能力も必要です。
例えば、営業の受けもつ訪問営業先がそれぞれ離れており、1日に訪問できる数が少なくなってしまっているなら、割り当てを調整して効率よく訪問できるようにするのが営業マネージャーです。
営業成績の振るわない営業がいれば、何が足かせになっているのかを調べ、それを解消します。
営業のために機器の新調やツールの導入が有効であれば、それを購入する手続きをし、営業全員が活用できるよう教育します。
また、最近ではオンライン営業をベースとして活動している企業で、ターゲットを決めず無差別にアプローチしてしまい、思うような成果を上げられないケースも多いようです。その場合、セグメントを見直すことも管理の一つです。
管理とは、自分の命令通りに部下を従わせることではなく、成果を最大化できるよう自分が部下のために取り計らうことなのです。
分析能力
分析能力のある営業マネージャーは、自社サービスや営業組織についても、他社と比較しての長所・短所を把握できています。
そのため、試行錯誤した結果、今後のアクションを具体化し、営業がより効率的に成果を生むために計画を立てます。
分析能力を高めるには、自らの勘や経験に頼るのではなく、データを可視化し科学的に判断することが求められます。
市場は日々変化するため、最新データを収集し続けることも必要です。客観的な根拠をもって意志決定をしてこそ、部下も納得しついてきてくれるでしょう。
営業マネージャーのよくある悩み
営業マネージャーは、普段の業務に加え、マネジメント業務が求められます。
マネジメントする側にしか分からないような悩みも抱えていることが多く、周りの力が必要な悩みもあるでしょう。
下記では、営業マネージャーのよくある悩み3つとその解決策について解説します。
営業戦略が頭打ち
現状の営業活動をそのまま続けても営業目標を達成できる見込みが低い場合、営業マネージャーは営業戦略の見直しを迫られます。
さらに、考えられる手をすべて打っても状況が改善しなければ、深く悩むことになるでしょう。
このような場合、他者に相談することが解決の糸口になりえます。
例えば、経営者や同業界に詳しい知人などが挙げられます。
他人と話し合うことで自身の考えが整理され、新たな視点を獲得し、これまでは思い付かなかった名案が浮かぶこともあるのです。
また、外部の営業コンサルタントと共に営業戦略を練りなおすことで活路が見えることもあります。
行動管理に手が回らない
一人ひとりの営業の活動を把握し管理しようとしても、全員の行動を細かく理解するには膨大な時間がかかり、それだけの時間を捻出できないという悩みもよく聞きます。
あるいは現状把握していても、改善のための施策を考える時間を取れず、現状維持に甘んじてしまうこともあるようです。
この問題は、営業マネージャーの能力が不足していることではなく、効率的に行動管理をする手段がないことが原因である可能性があります。
例えば、営業支援ツールを導入し、営業の実績管理や行動記録を容易にし、整理された情報をチェックする体制が整っているだけでも、営業組織全体の状況が一目でわかり、何は順調で何は不調かも瞬時に把握できます。
目の前の業務で忙しく、行動管理の方法を改善する時間も割けない場合は、営業代行に依頼することで解決することも考えれます。
行動管理だけでなく、行動管理した結果に対するフィードバックを貰うことでさらに効果的に活用できるでしょう。
営業が育たない
営業を教育するために割ける人材が不足しているという悩みや、時間をかけて教育したにもかかわらず成果が見られないという悩みもあります。
これらを解決するには、教育の方法を見直してみるべきかもしれません。
例えば、教えた事が伝わりやすいように少人数にしてみたり、時間を小分けにして回数を増やしたりなど、現状と異なる方法で取り組むこともよいでしょう。
また、教育の目的と目標、そのために習得させたい知識やスキルが何であるのかが明確になっているかも重要です。
社内で教育人材を賄えない場合は、外部リソースを活用してもよいでしょう。
また、コロナ禍においては、オンライン形式で研修・教育が必要なため、ノウハウのある会社に委託する手段もあります。
営業経験豊富な講師による講義や実践的なロープレなどを行える環境を創り、一流の営業に成長させるための仕組みづくりをしていくことが重要です。
営業マネジメントは会社と事業とメンバーのため
このように、営業マネージャーは営業組織全体をマネジメントをしなければならず、企業の経営にも直結する大切な役割を担っています。
経営者の視点を持って物事を判断し、現場の営業が最も力を発揮できるように管理しなければなりません。
重要な立場ですからこそ、求められる能力は高く業務も多岐にわたります。
重荷と感じてしまう場面も人によってはあるかもしれません。
自身の思考に留まらず、ぜひ様々なところから知見やインスパイアを受け組織達成に向けて、会社や事業のために、自身やメンバーのために、営業マネジメントをしていきましょう。
インプレックスアンドカンパニー株式会社では、400社・2,000商材を越える実績があり、様々な業種業界における営業マネジメント支援を行ってきました。
営業のプロフェッショナルとして、営業機能やマネジメント機能など、本来営業マネージャーが行うべきような業務をゼロから立ち上げることもできます。
営業マネジメント業務や営業戦略策定など、営業に関する課題でお悩みであれば、是非お気軽にお問合せくださいませ。